「福井梅」とは何ぞや?米原駅の梅そば、富山駅・金沢駅のとろろ昆布おむすびから続く旅〜福井梅の梅干しをマキノピックランド(滋賀県)で買う
※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年9月1日)
趣味のひとつに鉄道がある。
撮る方や車両の型式等にはあまり関心はなく、専ら乗る方。路線図が好きなのだ。私は車を運転しないので、自力で移動する手段として最も手軽で信頼でき、幼い頃から乗り慣れているのは鉄道。路線図を眺めながらいつか行きたい旅のプランを立ててみるのも好きだし、乗りに行きたい路線や訪れたい駅が常に頭の中にある。
それもあって、ゲーム「ドラクエウォーク」(ファミコン版発売時からのドラクエファン)の全国お土産スポットも可能な範囲で巡っており、コンプリート率は60%を超えたあたり。
今回は兵庫県での観劇後、滋賀県2か所を電車で回ることにした。というのも、お土産スポット「メタセコイア並木」隣の農業公園「マキノピックランド」で福井梅の梅干しが買えるらしいのだ。
「福井梅」とは特定の品種名ではなく、福井で栽培される梅の総称のようだ。
福井の梅の歴史は天保年間(1830~1844年)に始まる。現在の若狭町(旧三方町伊良積)で栽培が開始され、本格的に定着したのは明治15年頃。その頃は「西田梅」と呼ばれていたのを昭和42年に「福井梅」に改称した。
主な品種は「紅映(べにさし)」、「剣先」、「新平太夫」、「福太夫」。
そんな「福井梅」を私が最初に認識したのは福井ではなく富山県だった。
私は富山駅に寄る機会があると、JR改札近くの「ますのすし源」のおむすび店をほぼ必ず利用する。大抵はとろろ昆布のおむすびを選ぶが、次いでよく買うのが「福井梅」。
このおむすびがとても美味しいので、「福井梅」とは北陸では有名なのかと思っていた。旨味が強いと言おうか、味の深みやこくを感じ、一度食べると印象に残る梅である。
上の写真の左が「福井梅」、右の白とろろ昆布の中の具は「完熟梅」とされているが、品種や産地は明記されていない。ほんのり甘みが感じられるので南高梅かも知れない。ふんわりとしたとろろ昆布と梅の優しい味がよく合い、こちらも大変美味しい。
また、お隣石川県のJR金沢駅でもとろろ昆布のおむすびが買える。中身はやはり梅。黒とろろ昆布のおむすびは、移動で少し疲れた頃に食べたからか、驚くほど美味しかった。北陸で加工された昆布は美味しい。
そして私は気になっていた。
北陸における代表的な梅の品種は何なのか。「福井梅」か或いは別の品種か。富山県にもローカル梅は存在し、石川県でも梅は栽培されている。だが北陸地方で最も梅の生産量が多いのは福井県。近隣の滋賀県もさほど多くなく、この辺りまでは福井梅のエリアかも知れない。
と思うのは、かつてJR米原駅にあった駅そば店(残念ながら2020年に閉店)「井筒屋」に名物メニュー「梅そば」があったから。何故米原で梅そば?とは思ったが、もしかしたらこれも福井梅だったのかも(何故梅そばか、由来や産地・品種等は謎。公式サイトに情報はなかった)。
こちらは2016年の暮れに食べた際の画像。改めて見ても大きくてふっくらした立派な梅だ。たっぷりの削りがつおも良かった。
関西風のだしのきいたつゆに梅の酸味がよく合い、関西だなあと思いながら寒風吹きすさぶ朝のホームで丼で手を温めつつ食べた。なつかしい。
駅そば店の梅そばというと、他に思い当たるのは福井駅の「今庄そば」。こちらは北陸らしくとろろ昆布がたっぷりで、梅は叩き梅。太くざっくりとした麺が蕎麦どころの福井らしくて、好きな駅そばのひとつだ。
斯様に駅そば及び駅おむすびから「福井梅」は私の脳裏にいつしか色濃く焼き付き、いつかは辿り着きたいと思っていたのかも知れない。
そんな福井梅の梅干しが滋賀県で買える…滋賀県???という気もしなくもないが、マキノ高原は滋賀県のかなり北。峠を越えれば福井県。ほぼ福井と言っていい。
マキノピックランドの売店には、滋賀県土産に加えてこの立地ならではの「峠の鯖寿司」も売られていた。峠を越えて福井から渡って来たんだね…そう、ここはもう福井同然。
かくして冒頭の写真はマキノピックランド内、福井梅の梅干し売り場である。かなりの面積を割いて立派な梅干しが並べられていた。別コーナーに紀州南高梅もあったが、ここで買うなら断然福井梅だろう。
早起きして大阪から電車を乗り継ぎ、湖西線に揺られてマキノ駅から更に40分歩いた甲斐があった。たいへん美味しい梅干しである。
「峠の焼鯖寿司」も非常に美味しかった。焼き加減も脂の加減も、中に仕込まれたガリのさっぱりした風味も全てが秀逸。さすがは老舗、しかもお財布に優しい。
いやー、遠かったがマキノへ来て良かった。こういう機会でもないとなかなか目指さないエリアなので良い機会だった。
メタセコイア並木も見事で大満足!
ドラクエウォークの滋賀県お土産スポット、もう1箇所の「びわ湖バレイ」も電車内から入手でき、この旅で滋賀県4箇所はコンプリート。
以後もたまにドラクエウォークの話題が登場するかも知れない。
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