【おうちで漬物】#25 丸ごときゅうりに熱湯をかけるのがポイント!パリッパリで美味しくて保存もきく「きゅうりのちーちゃん」(大原千鶴さんのレシピ)
最近ぐっと暑くなり、火を使わずにごはんと豆腐または納豆にお漬物、という食事が増えて来た。
今は自作の漬物を冷蔵庫にいくつか入れるようになった私だが、元々はしば漬けやきゅうりの「キューちゃん」を自分好みにつくりたいと思い、調べて試作を始めたのがきっかけだった。中でも「キューちゃん」には特に思い入れと憧れに似た思いを抱いていた。
あの心地よいパリパリとした歯ざわりは大好きだが、市販の漬物は味が濃く、また添加物が含まれていることも多い。
けれど生のきゅうりで作ろうとするとどうしても水気が出て水っぽくなるし、青臭みも気になる。皮もあんなにパリパリにはならない。一体どうすればあの皮のきゅっきゅっとした縮み具合やパリパリ食感が実現できるのか?
調べたところ、きゅうりを古漬けにして予め水分を抜いてしまえばパリパリに仕上がる、との情報を複数得たため、キューちゃんを作りたいがために昨夏きゅうりを古漬けにした。
確かにパリパリにはなった。
だが、味には少々不満があった。
古漬けには古漬け特有の風味、塩蔵味や熟成味が発生する。それはそれで美味しいものだが、キューちゃんとして味付けした場合はその風味が邪魔になる気がして、古漬けから2回キューちゃんにした後は「古漬けをより美味しく漬けるにはどうすれば…」といった方向に悩み始めていた。つまり古漬けキューちゃんは少々頓挫中なのだった。
そんな折、Xの「みんなのきょうの料理」アカウントから気になる情報が。それがこちら。
大原千鶴さんのお名前をとってきゅうりの「ちーちゃん」。レシピを見るに、かなり私好みの味だ。何より私が長く頭を悩ませてきた
・水っぽくなる問題
・生のきゅうり青臭い問題
・皮パリパリにしたい問題
の3点がすっきりクリアされていそうなレシピなのだ。
私は大原千鶴さんのレシピを信頼している。真似してつくった料理がいくつもあり、どれも一定以上に美味しくでき、かつ自分好みに調整もしやすかった。レシピ化が的確で、ポイントの伝達に長けておられるからだと思う。
そんな訳で、きゅうりが安かった時に早速試してみた。今回つくった分量は元レシピより1本少ない4本だが、太くて長いきゅうりなので、もしかしたら標準的な5本分より多いかも知れない。
《きゅうりのちーちゃん・今回のレシピ》
・きゅうり(大):4本
・新生姜のせん切り:30g
・塩昆布:ひとつかみ(12gくらい)
・醤油:80cc(「とら醤油」濃口使用)
※いくらか甘みの入った醤油なので砂糖を半量に減らしています
・酢:60cc
・砂糖:大さじ1.5
つくり方をごく簡単に書くと、以下2ステップで終了。
①丸ごと収まる容器にきゅうりを並べ、たっぷりの熱湯をきゅうりが隠れるほど注いで10分おく(皮の青臭みが消え、余分な水分も抜けやすくなる)
② 粗熱をとった①のきゅうりを厚さ1〜1.2cm程度に切り、調味料とせん切り生姜、塩昆布と共にファスナー袋に入れて全体をなじませ、空気を抜いてファスナーをとじ、冷蔵庫で8時間以上置いたら食べ頃。途中何度か上下を返すなどして全体に調味料がよくしみるようにするとよい。
何これものすごく美味しい。
パリッパリで青臭さは皆無だし、味の加減もぴったり。きゅうりから多少は出たはずの水分による水っぽさは全く感じない。
しかも作り方は非常に簡単かつ面白い。失敗しそうな点もほとんどない。素晴らしい。
作り方や材料等を何も言わずに「美味しいよ」と夫に食べさせてみたところ、「まろやかで美味しいね」とのコメント。パリパリに言及するかと思いきや、味の方。でもそれくらい美味しいのだ。しょっぱ過ぎないし、昆布や生姜の良い味が出て、食感もとても良い。
このレシピの素晴らしいところは以下3点だと思う。
・丸ごとのきゅうりに熱湯をかけてしばらく置くことで、青臭みを抜くと同時に皮を少し収縮させてパリパリ食感を実現
・漬ける際、きゅうりをやや厚めに切る(元レシピでは1センチだが、それより気持ち厚めが美味しいと思う)ことで食感をよりパリパリに、かつ味の染みすぎを防ぐ
・加熱の必要がない(他のキューちゃん漬レシピは調味料を加熱し、きゅうりを漬け込み水分を飛ばすために再加熱を繰り返す場合が多く手間がかかる)
・冷蔵庫で2週間保存可(これは嬉しい!)
上にも書いたが、今回は幾分甘みの入った「とら醤油」(虎のパッケージに惹かれてつい…。美味しくて料理に使いやすい味ですが、果糖ぶどう糖液糖使用なので気になる方は同社の本醸造等、天然甘味料使用の商品をお選びください)を使ったこともあって調味料の割合を甘さ控えめ、酢を多めに調整している。
どの醤油を使うかで味がかなり変わってくると思うので、お好みの醤油でどうぞ。
ちーちゃん漬け、おすすめです!夏の食卓にぜひ!