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3ヶ月砂糖漬けした中国風甘い干し梅「話梅(ファーメイ)」を干してみる&毛むくじゃら種なし梅「千光梅」のその後の顛末(千光梅・白加賀梅その3、ローゼンの梅その2)

長かった。
初めて梅干しをつくった時には「塩漬けして1ヶ月待つのは長いなあ」と思ったものだが、慣れればひと月なんてあっという間だ。
それに比べて中国の干し梅はなんと長い期間をかけてつくられることだろう。さすが悠久の歴史の国。砂糖漬け3ヶ月はやはり長い。しかも砂糖漬けに至るまでにも、塩水にまる2日浸けたり天日干ししたりとけっこう手間と時間がかかる。いやー長かった。

ここに至るまでの過程は以下過去記事の通り。
5月末〜6月上旬にかけて白加賀梅、近所の相鉄ローゼンで買った品種不明の神奈川産梅、そして様々な問題をはらんだ千光梅の3品種で中国の甘い干し梅「話梅」を仕込んだ。

あれから3ヶ月。
砂糖漬けから3ヶ月経てば完成なので、このまま食べても問題ないのだが、なんとなく日光に当てたい気になった。お天気も良いことだし…と言うより9月下旬とは思えぬ異常な暑さなので、この強烈な日光を活用して天日干ししてみることにした。

こちら白加賀。
漬け汁は恰も洋酒のような熟成感ある色の濃さだが、濁りはなく澄んでいる。(澄んでいる、と殊更に感じるのはそうではない事例があったから)

実は今やすっかり縮んでこの通り。浸透圧という概念に思いを馳せずにはいられない。

すっかりしわしわ。
話梅は青梅で仕込むため、できあがりの色もなんとなく青い。

こちらはローゼンの梅。粒が大きいのでドライプルーンみたいだ。
何故か最も巨大なひと粒だけ、最初の塩漬けや天日干しを経てもほぼ縮まず、砂糖漬けして3ヶ月経ってもこの通り。大丈夫なのかなあ…。

浸透圧という概念を超えたひと粒

こちらの漬け汁もすっかりこんな色。舐めるとなかなか美味しいので、炭酸水等で割って飲もうかしら。酢飯や酢の物にも活用できると思う。

20年ものぐらいのウィスキーみたいな色

干します。その方が美味しそうだから。

そして、非常~~~に延び延びになっていた千光梅のその後。
更新に気が進まなかったのは、毛むくじゃらなこの子たちは梅干しにしても話梅にしても依然毛むくじゃらなままで、どう食べてよいものか途方に暮れていたからである。

こちらは梅干し。
見た目通り、食べると全体をびっしり覆う毛が口に刺さる。そして梅酢にも溶けだしたこの毛のおかげで、梅酢は梅を取り出して2週間ほどで黒く腐敗してしまった。ほんとにこの毛どうにかならないか?というかこれ本当に梅??

まる2日干してこの状態。それからまる2ヶ月以上経つ今もほぼ状態は変わらず

こちら話梅。
前回の過程にも書いたとおり、表面にびっしり生えた毛のおかげで砂糖漬けがうまく行かず、途中で微発酵したためその後は冷蔵保存に切り替えた。
食べるのが怖いような見た目だが一応食べられる。ただ、漬け汁は溶け出した毛と発酵で濁りに濁って、活用する気には到底なれない。これも干せばよいのだろうか。干しても毛は取れないけど…。

怪しい、どうしても怪しい

齧ると断面はこんな。確かに種は気にならず、甘いナッツみたいな味。とはいえやはりどうにも梅には思われず、はてさてどうしたものやら。ケーキにでも焼き込んだらよいのか、それともチョコ掛けにでもしたらよいのか。甚だ困惑しきったまま、月日だけが過ぎ去ってしまった。
ともかく、「千光梅」はもう買うことはないだろう。梅としてはあまりに毛むくじゃら&実の水分が足りな過ぎた。

そんな訳で、止まっていた梅記事もやっと再開。梅って作業の間隔が空くので、書くのに思い出す力と勢いが要るんですよね…。

まだ完成に触れていない石川一号と谷沢梅についても(どちらも美味しく仕上がった)、重い腰をなんとか上げてそろそろ書こうと思います。

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