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【おうちで漬物】#37 今年も漬けた山形風の赤かぶ漬、我が家では下漬けなしが定番に

冬になると漬けたくなって、直売所で探す野菜のひとつが赤かぶ。
私はかつて山形の親戚が毎年送ってくれていたジューシーに甘く漬けた赤かぶ漬が大好きで、昨年試しに自分で漬けて思いのほか簡単で美味しく漬かったので、今年以降も毎年漬けようと思っている。

昨年は一度塩で下漬けしてから本漬けする方法と、最初から酢・砂糖・塩を混ぜた漬け液に漬け込む方法の二通りを、漬け液の配合を変えながら何度か試してみた。
その結果、塩で下漬けせずに最初から直接本漬けする方法の方が、かぶらしいジューシーさが残り、歯触りも私好みに仕上がったので、以後はこちらの方法を採るつもり。なお、下漬けありの漬け方とレシピは過去記事に書いているのでよろしければ。

下漬けを行うメリットはおそらく保存性がより高まることと、塩漬けを行うことでかぶの水分が抜けて重量が減るため、本漬け時の砂糖・酢の使用量をいくらか減らせることだったのではないかと思う。家庭用に少量漬ける程度なら気にならない程度の差だが、十キロ単位等大量に漬けるならその差はそれなりに大きい。節約を美徳とする山形の県民性を考えればそういうことだったのかな…というのはあくまで私の推測だが、おそらく地域によって採れるかぶの性質の違い、実の締まり方にもよると思う。

というのは、先日山形でたまたま買って持ち帰って漬けた赤かぶが、思ったほどジューシーでさくさくとした感じではなく、より締まった感じに漬け上がったから。

漬け上がってしまうと見た目では判断がつかないが、かぶの実を切っている時点で「このかぶは水分が少なめだな」と感じた。白鷹町の道の駅で購入したこの「紅かぶ」は予め茎と葉が切り落とされていたため、切り口から水分が多少蒸発していたのかも知れない。が、元々あまりジューシーな品種ではなさそうな感じ。

洗って重量を量る…前に茎周りの固いところを切り落とせばよかった。この後量り直しました。

私は赤かぶ漬はジューシーさとさくさくとした歯触りを楽しみたいので、厚めに切って漬けるのが好き。山形では丸ごと漬ける方法もあるけれど、家庭用に少量漬けるなら、切ってから漬けた方が均等に美味しく漬かる。

今回漬けた分量は以下の通り。昨冬に何度か試した際の最適レシピを忘れてしまい、少々砂糖多めになってしまったけれど美味しく漬かった。

≪山形風赤かぶ漬(下漬けなし)のレシピ≫

1)赤かぶは洗って茎周りの固いところのみ包丁でぐるりと剥いて皮付きのまま半割にし、それを5~7mm厚さに切ってファスナー袋に入れて正味の重量を計量。今回は670g。

2)かぶの重量に合わせた漬け液をつくり、混ぜ合わせて袋の上から注ぎ、空気を抜きながら口を閉じる。かぶの水分が出て来るまでは常温で重石をし、水分が出て全体が浸ったら冷蔵庫に移して途中何度か上下を返して均等に色づくように10日~2週間ほど漬け込む(味がしみるまでそれぐらいかかる)。

◆赤かぶの漬け液
・塩:かぶの正味重量の2~3%(今回は2%、13.5g)
・酢:かぶの正味重量の6~12%(今回は12%、80g)
・砂糖:かぶの正味重量の9~13%(今回は13%、87g)
※保存性のため焼酎を使う漬け方もあるが、匂いが気になるので私は不使用。冷蔵保存なら(山形の冬は寒いので倉庫などで保存されるのが一般的)焼酎なしでも長持ちする。
※私の好みの配合は、塩3%、酢9%(米酢またはりんご酢)、砂糖9~10%。砂糖が少ないと日持ちはやや短くなるが、この配合で冷蔵庫で1ヶ月程度は保存可。なお、保存時は常にかぶが漬け液に浸っている状態で。

昨年は初めて漬けたこともあり、分量にやや神経質になっていたが、赤かぶは個体差や品種によって含む水分量がけっこう異なるので、あまり気にせず大らかに、漬け液の調味料の割合や量り方も、1ヶ月以上の長期保存を目的としないなら(かつて山形の祖母が送ってくれたものは2~3ヶ月保った)だいたいで良いと思う。

先般漬け上がった今年のおみ漬けと盛り合わせたところ。無意識に山形の漬物同士を盛り合わせたくなったみたい。夫が「正月が来たみたいだ」と言ったのは、この赤い色がお正月っぽいからか、或いは赤かぶが本番を迎えるのが真冬だからか。いずれにせよ、確かにお正月のお膳に添えたくなるきれいな色。

私の知る限り、山形の漬物はさほど甘い味を好む傾向ではないのだが、赤かぶだけは甘く漬けた方が美味しいと思う。そのうち神奈川の直売所でも赤かぶが出てきたら、正月用も仕込みたいところだ。
簡単で美味しく漬かるので、赤かぶを見つけたら是非お試しください。なお、白いかぶは赤かぶとは肉質が異なるため、白いかぶに向いたレシピで漬けた方が美味しいです。

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