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【駅・コンビニでご当地🍙】#24 銀座すずらん通り「THE NIIGATA」でががなんばんむすび、醤油の実むすび
アンテナショップは割と好きで、東京~有楽町近辺に行く用事がある際には大体どこかに立ち寄る。この日は昨年8月に銀座すずらん通りにオープンしたばかりの「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」。JR有楽町駅から徒歩7~8分、地下鉄銀座駅なら1~2分でアクセスできる。
立地に相応しいシックでスタイリッシュな外観、品揃えも雑多なアンテナショップと言うよりお洒落なセレクトショップ。2階は試飲もできる日本酒コーナー、8階には食器やカトラリーに至るまで全て新潟産にこだわり抜いたレストランがあり、イベントスペースも併設。2023年末まで表参道にあった「ネスパス」とは随分と違った印象を受ける。
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私は品揃えのとにかく豊富なネスパスが気に入ってよく利用していたため、ビルの建て替えにより閉館すると知った時には残念に思ったものだが、ううむこう来たか…。以前との路線の違いになかなかの戸惑いを禁じ得ない。ネスパスでは欲しいものがあって行っても売り場で毎回発見があり、結果的にいろいろ買い込むことになった、そうした発見が面白かったが、ぴかぴかの新店舗「THE NIIGATA」はどうもそういう雰囲気ではない模様。新潟県の代表的なお土産・食材がひと通り揃ってはいるが、かなり絞られた商品構成で、新潟の中でも一流のものを、というコンセプトだそうだ。
とは言え、私にとってたいへん嬉しいのは「THE NIIGATA」では魚沼産コシヒカリのおにぎりが常時購入可であること。1Fの入口すぐに“お米農家がつくったおにぎり屋さん”をイメージしたおにぎり専門店「THE ONIGIRI・Ya」があるのだ。これは良い!素晴らしい!!
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という訳で、今回は完全にこれ目的で向かった。時刻はほぼお昼。店内には品物を見て回る買い物客に加え、私と同様おそらくおにぎり目的の、付近で働いておられるのであろう軽装の方も何人か見受けられる。
フロアをひと巡りした後、おにぎり列に並びつつ買うものを思案。なるべく新潟らしいものがいいなと考え「ががなんばんむすび(税込み290円)」と「醤油の実むすび(税込み290円)」の2品を購入。新潟なので焼鮭むすびやごましお昆布もきっと美味しいだろうが、今回はより珍しいものを。
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新潟と言えば魚沼地方の伝統野菜「かぐらなんばん(神楽南蛮)」をご存知の方も多いかも知れない。私は加工品の南蛮味噌を食べたことしかないけれど、元々の野菜はピーマンのようなふくらんだ形をしているそうだ。唐辛子のように細長い形で辛味の殆どない京都の万願寺唐辛子や甘長とうがらしとは全く逆の特徴。鷹の爪の辛味と比べてすっきりと爽やかな印象があるので様々な料理に使えそう。入手できる機会があればぜひ調理してみたい。
かぐらなんばんの南蛮味噌はごはんにそのままのせても美味しいので、おかか等と共に具にしたり、混ぜ込みおにぎりにしても美味しいのだが、今回買ったのはこれを醤油漬けにした「ががなんばん」。生姜、みょうが、かぐらなんばん、きゅうりを刻んで醤油で漬けたものだそうで、いかにも美味しそう。ピーマンで同じような漬物をつくってもきっと美味しいだろう。
もう1つの「醤油の実」は、私にとっては懐かしい馴染みの味だ。むかし実家の朝の食卓によくのぼっていた。醬油づくりの過程でできるもろみに生醤油と米麹を加えたもので、そのまま食べるにはしょっぱいので私は納豆と混ぜてごはんにのせるのがお気に入りだった。豆腐にのせたり、野菜スティックにつけたりしても美味しい。今でも山形或いは山形物産展等で見掛けると買うのでてっきり山形名物だと思っていたが、新潟でもポピュラーなのだろうか。山形と新潟は隣接しているので食文化にも重なりや類似点が多い。もしかしたらいくらか味が違うかもと期待して購入。
さてさてそんな新潟のおむすび、醤油の実は温かいうちに出先で、ががなんばんは持ち帰って自宅で食べた。醤油の実はかなりしょっぱいので、これだけを具にすると塩気がきついかもとも思ったが、さすがは専門店、程よい上手な具の加減。醤油の実自体、私が食べていたものより幾分まろやかな味かも知れない。お米ももちろん美味しい。
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ががなんばんは、是非また食べたいと思った。この漬物が、味といい食感といい実に美味しく、お米の美味しさをさらに引き立てる。冷めた状態で食べたので尚その実力がわかった。米どころ新潟のお米は冷めても美味しいのだ。むしろどちらかというと冷めてからの方が、粘りや甘みといったコメ本来の味わいがよくわかるかも知れない。私は美味しいお米のおにぎりなら、温めずに常温で食べるのが好き。
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こちらも程よい具の入り。こうして見るとやはり神楽南蛮の見た目はまるでピーマン。辛味も爽やかでくせになる味。
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いやあ満足。美味しかった。価格も、立地を考えれば高過ぎない納得価格。
シンプルな塩むすびもあっても良いとは思ったが、具のラインナップは全てお米の美味しさを引き立て邪魔しないものばかりなので、どれを買っても美味しいはず。できれば梅も藤五郎や越の梅など新潟のご当地梅なら尚良いのだけれど、新潟へ行ってもこれらの品種の梅干しは滅多に見ないので、生産量が多くないのかも知れない。
…という新潟の話を今書いたのは(これを買ったのはほぼひと月前)、来週早々に新潟を通るからである。
「きゅんパス」を使って東北新幹線から磐越西線(只見線に乗りたかったけれど大雪で運転見合わせ。残念…)、妙高はねうまラインと信越本線で新潟方面へ向かい、北陸新幹線で帰る(上越妙高で駅弁を買いたいから)旅をする予定で、列車の運行状況や向かうエリアの天候を調べていて思い出した。
新潟県内は今回はほぼ乗り換えだけなので、合間に駅売店でお土産を物色する程度に限られるかも知れないが、何か美味しいものを見つけて帰って来られれば良いなと思っている。