十郎梅の梅干し2種類の天日干し完了~今年の十郎梅しごとは無事完了(2024十郎梅その4、完成編)
先週日曜の朝から天日干しを始めて月曜の夕方に完了とした十郎梅の梅干し①、続いて曇り空の中なんとか干し終えた十郎梅の梅干し②。
これをもって、2024梅シーズンの十郎梅しごとはなんとか無事完了した。
今年の十郎梅は計4kg購入し(1kg+3kgの2回)、先に買った1kgは上の梅干し①に、後から買った方は梅味噌、梅ジャム、梅漬けに梅干し②とさまざまな梅仕事を楽しむことができ、たいへん満足している。
先に完成した梅味噌(過去記事「生梅が3kgあったら…」内)は現在日常的に活躍中。夫のお弁当に入れる焼き魚の仕上げに塗って炙ることが最も多いが、同じくお弁当の青菜と和えたり(醤油洗いをして和える)、豆腐や納豆に使うことも多いし、そぎ切りにして片栗粉をまぶし、湯通しした鶏肉にのせても美味しい。とても夏向きの味だ。
梅ジャム(同記事)はパンにはもちろん、甘みの少ない全粒粉や大麦のビスケットにのせて食べるのもお気に入り。甘酸っぱい味が欲しい時にほど良く、最近のおやつによく食べている。
梅漬け(同記事)は、こんな感じに仕上がった。
やや熟が進み始めた状態で漬けたので、やはり予想通りカリカリにはならなかった。
ただこのフニっと「半生ジューシー」タイプの梅漬けは夫が殊の外好んで食べる。私は梅漬けはカリカリしている方が好みだが、夫はこのタイプも好きで、お弁当の白米にのせると「ジューシーで美味しかった」と毎回言う。ごはんに合わせるのが好きなのかも。
さて、今回干し終えた梅干し①と②を改めて比べてみる。
まずは①。生梅(追熟前)の写真も添える。
追熟後の重量から完成は約68%、生梅の1kgからだと約62%と実に優秀な出来(標準は60%と言われる)。
皮破れも、カビや産膜酵母トラブルも一切なく、天日干し期間も理想的な晴天に恵まれて実にふっくらと美味しそうに干し上がった。梅干しの完成重量が多い分、梅酢はやや少ない。
あまりに美味しそうなので、干したてをさっそく味見。
ふっかふかで実に美人(いや十郎だから「美男子」か)。紫蘇を使っていないのにこんなにきれいな褐色に仕上がるのが、梅干しを漬ける度に毎回不思議に思う。
この十郎は梅酢の色もたいへん美しい。通常梅干しができたばかりの頃は梅酢の色はもっと薄いのだが、既にきれいな紅色。この梅の個別の特徴か、それともちょっと良い塩(球美の塩)を使ったおかげか。
中の果肉もとても綺麗に色づいた。そして、すごく美味しい…!
驚いた。干したてからこんなに美味しい梅干しは珍しい。
できたてなので塩味はまだ少々立っているものの、それが気にならないほど塩の旨味が十郎ならではのコクやまろやかさと一体化して、干したてでも既に十分以上に美味しい。
昨年の十郎梅も干したてから美味しかったが、それは塩分10%未満で漬けたからでもあったと思う。今年は塩分14%で漬けたのでもっと尖った味を予想していた。
さすが十郎、味も美男子。素晴らしい。
続いて②。こちらも生梅時代の写真と共に。
こちらは皮破れがいくつかあったので、できれば晴れ間に長く干したかった。
だが晴れ間を狙って干し始めたはずが、空模様が次々変わり、結局曇り空+屋内で計まる2日干すことに。日照が足りないので、この後晴れた日に追加で半日~1日程度干してみようかとも思う。
生梅からの完成重量は61%と標準的な出来。その分①より梅酢も多い。
ちなみに梅酢や梅干しの色も、同じ十郎梅ではあるが(生産者は異なる)割と違う。
①の方が明らかに色が濃く、②は皮破れの分だけ濁りがみられる。
梅干しもやはり①の方が褐色が濃い。干し上がりが数日違うため、先に終えた①が幾分落ち着いたともいえるが、どちらかと言うとロットの差だろう。
①のように美しい十郎梅にはなかなかお目にかかれない。食べ比べても②も十分美味しいが、①がずば抜けて美味だった分、ややおとなしめの味に感じる。
ただ、ロット差という意味では、①より②の方が華やかでフルーティな香りを感じたので、梅干しよりもジャム等甘めの加工や、塩分を控えた梅漬けのように風味を生かす加工に向いていたとも言え、どちらの個性も存分に味わえて満足している。ありがとう生産者さん。
十郎梅はやはり優秀。神奈川に十郎梅があってよかった。今年もありがとう十郎、来年もきっとまた…。
今季の十郎梅はこれでひと段落だが、弟分の五郎梅や同郷の杉田梅、それに梅ボーイズさんの南高梅が塩漬けから1ヶ月を経過しているのでそろそろ干しどき。
今週末あたりから晴れの予報が続いているので、そろそろ梅雨が明けるのかも知れない。
天日干しは焦って行う必要はなく、塩漬けからひと月経過していれば7~9月の間にいつ行っても良いとされる(その後は日差しが弱まるため奨励されないが、近年は10月上旬ぐらいまで十分強い気も)。
とは言え「土用干し」を狙うなら、今年の夏の土用は7月20日~8月7日。この間に晴天が2〜3日続くタイミングがあれば、狙ってなるべくたくさん干したい。楽しみだなあ。