初めての梅仕事の失敗と反省(豊橋の梅その1)
※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年5月30日)
初めて買った生梅は「たまたま」としか言いようのない機会だった。こだわりは皆無である。
5月末、蒲郡に出掛けた帰りに道の駅とよはしに立ち寄った。途中何箇所かの道の駅・スーパーに寄り、都度青梅は目に入ったが「高いな」と思い手が伸びなかった。
が、豊橋は安かった。しかも上の品はB級品らしく、他の袋の半額だった。梅仕事はこれまで全くの未経験だが、いずれ挑戦したいと思っていた。この価格ならお試しで買うには最適だ。失敗しても惜しくない。
という訳で初めて買いました生の梅。品種もわからず「選んだ」とも到底言えない状況のままに。
翌日は何かと慌ただしく、袋を開けたのは翌々日。予め入手していた初心者向け梅本とネットの情報を参考に、1kgの袋を3つに分けた。
1)カリカリ梅:2時間ほど水に漬けた後の青梅450g、粗塩45g(塩分10%)
2)梅干し用:まだ青いので追熟(青梅450g)
3)はちみつ漬け:1)と同じく浸水した青梅に切り込みを入れて割り、重量の12%の塩を馴染ませ、浸る程度のはちみつを注ぐ。取り出した種は醤油、みりん、かつおに漬けてめんつゆの素に。
この時点では普段の料理同様「まあ何とかなるだろう」程度の適当さだった私だが、数日の後に激しく後悔することになる。
何故なら、「3日で完成!」と某料理研究家の方のチャンネルで紹介されていたはちみつ漬けが、到底食べられる代物ではなかったのだ。
漬けて3日後にうきうきしながら「そろそろ漬かったかな?」と取り出し味見してみると、甘いどころかそこそこのえぐみが舌先に伝わる。甘さも塩もどちらもなじまず「なんかこう、もうちょっとどうにか」という中途半端な味な上に、しばらくするとこめかみの辺りにわずかに痺れるような、悪酔いした時のような感覚が。…これって青梅のえぐみのせいでは…
これは単純に私が悪い。
初めて手にする生梅の特性をきちんと調べず、使用した梅の状態も判断できていなかったから。
青梅を何故水に漬けるのか、本来どれくらいの浸水時間が必要か、梅の品種や個体による差は?等、もっと多くの情報を得てから試してみればよかったものを、何も考えずに「それなりに人気の料理家が言っているから大丈夫」とその通りにやって大失敗。これはまずかった。下手をすると生命の危機だったかも知れない。あのえぐみはやばい。今ならもっと長時間(目安はひと晩。最低でも5〜6時間)浸水します。青梅だし、梅干しや梅漬けのように長期間漬けないレシピだから。
という訳で袋から梅の実を取り出し、沸騰したお湯に入れて丁寧に灰汁をすくい、柔らかくなるまで煮てみた。これなら食べられないこともない。ジャムにするにはまだ若干えぐみがあるけど。(私があまり食べないので、夫が焼酎のお湯割りに入れてせっせと消費してくれていた。「えぐみ大丈夫?」と聞くと「全然気にならなかった」とのこと。体質の違い?)
でも袋に残ったはちみつの方も(お湯割りやソーダ割等にして飲むと美味しいと奨励されていた)今ひとつ美味しくない。えぐみが当然こちらにも滲出しているのと、そもそもこの量の塩とはちみつで、私美味しく感じるか???という根本的な疑問が・・・。
-―ああ、やっぱり私が悪い。悪すぎる。
冷静に考えれば、この程度の判断は最初からつくはずなのだ。
単純にこの方と私の舌の相性が悪い。そういえば以前も何かの作り方を検索していて同じサイトに行きつき、作り方や味付けがあまり好みではないと感じたことがあった。
梅に関しては全くの初心者で不安もあったため「プロだから!絶賛している人も多いから!」と盲信してしまった、それが最大の過ちである。
猛省。
梅には個体差やおそらくは品種による違いがあること、それ故に人様のおっしゃることを単純に鵜呑みにしてはならないことを、初めての梅仕事を通じて存分に痛感した次第だった。
皆さまも、青梅を使う時はどうぞお気をつけください(もちろん、えぐみの少ない品種で状態の良い梅なら2時間程度の浸水で大丈夫な場合もあります。今回のは元々の梅の性質や状態に加え、帰宅後に放置したせいもあってさらに状態がよくなかったと思われます)。