
オランダせんべい梅こんぶ味(酒田米菓)と懐かしのローカルテレビCM「あなたの裕」
山形・秋田県人大好き、酒田米菓のオランダせんべい。
噛むとパリッと心地よく割れる薄くて香ばしい塩せんべいで、ブルボンプチシリーズの「プチうす焼」のサイズを大きくしたような至ってシンプルなおせんべいなのだが、何よりの特徴はそのしょっぱさである。幼い頃は同社の3枚入り包装の醤油せんべい「鏡せんべい」と共に近所のどの家にも買い置きがあるほどポピュラーな存在だったが、子供心にも「このしょっぱさは多食すると危険」と思うほどの塩気で、立て続けに食べると喉がかわいた。
その後、時代の移り変わりや技術の進化と共にオランダせんべいの塩気と油分は軽減され、現在では驚くほどの塩味ではなくなっている。それが少々寂しい気もするものの、東北フェア・山形フェア等で見つけるとつい食べたくなって買ってしまう。今回買ったのは、少し前に神奈川のローカルスーパー「SUZUKIYA」で催された酒田フェア(山形の中でも酒田限定とはかなりマニアックである)で見つけたこちら。

オランダせんべい梅こんぶ味。
初めて見るフレーバーだが、近年の酒田米菓は社長の代替わりを機に随分と印象が変わった。パッケージに描かれたマスコットキャラクター「オランダちゃん」のグッズが発売されたり、パッケージがおしゃれになったり、便利な個包装も出たりと「昔ながら」の印象が一変。フレーバーもオランダせんべいらしい塩味を基本に、桜えびや枝豆、チーズ等新しい味も次々開発されている。米菓と梅こんぶは相性が良い。試しにひと袋買ってみた。
ちなみにオランダせんべいの「オランダ」は、全国各地で散見される回転焼き風「オランダ焼き」とか、茄子やこんにゃくの「オランダ煮」とは少々由来が異なり、西洋風の洒落たイメージが重ねられてはいるが、どちらかというと庄内弁の「俺だ」から来ているようだ。
「私たち」を示す「おらだ(俺だ)」は、東北一帯~新潟あたりで広く使われる言い方だが、各地で発音やイントネーションが少しずつ異なる。例えば私の育った秋田県央では「おらぃだ」「おいだ」「おぃがだ」等、町や地域単位で微妙に違い、発声や発語からどの地方出の者かがすぐにわかった。山形でもきっとそうだろう。

さてさて、そんなオランダせんべい梅こんぶ味、いったいどんな味なのか?見た目は至って普通のオランダせんべいだが、表面にちらほら見える赤~紫のパウダーが梅こんぶフレーバーと思われる。ごく仄かにゆかりっぽい梅しそ風の香りも。

食べてみると、梅こんぶ味が強過ぎず、あっさりして美味しい。以前枝豆味を買った際には塩が薄すぎて物足りなく感じたが、梅こんぶ味は塩気と梅こんぶの塩梅がちょうどよく、どちらも主張し過ぎずに美味しいバランスに落ち着いている。味が濃すぎないため、ついつい調子に乗って食べ進んでしまう危険な一品。そう、昔のオランダせんべいはそのしょっぱさ故に途中でブレーキがかかったが、今は気付けばうっかりひと袋食べ切ってしまいかねない。危険だ・・・。

いやー美味しかった。
つい食べちゃったよひと袋・・・。もうひと袋買っておけばよかった。また秋田か山形へ行ったら買わなくては。
そうそう、オランダせんべいと言えば昭和世代にとってはなんといっても水島裕さんご出演のテレビCMである。私が子供の頃、秋田で見ていたバージョンはこちら。水島さんの声優ならではの溌剌とした発音、美声による「そして僕は、あなたの裕」「友、遊、裕(ゆうゆうゆう)の、酒田米菓です!」という台詞が実に耳に残る。一度目に、いや耳にすると忘れられない印象的なCMだった。
水島裕さんのⅩでも投稿されていた。
これが「オランダせんべいのCM」です。
— 水島裕 (@goofyalice2013) March 6, 2016
30年以上前に撮影したものです。
東北地方限定のCMだったのですが、この映像をずっと放送していたので、認知度は高いのです。#声優 #オランダせんべい pic.twitter.com/FBzcTxrLJf
今でも使われているのかしら、と思って検索してみると、酒田米菓の公式サイトにこれまでのテレビCMを集めた特集ページがあった。すごいなあ、今ではオランダちゃんが踊っているのか・・・。
なお、銀座の山形アンテナショップ「おいしい山形」等でもオランダせんべいは購入できるが、なんと!広尾にも酒田米菓のアンテナショップがあるそうだ。すごい。現社長やり手ですね。
広尾の辺りへは滅多に行かないので知らなかった。そのうち買いに行ってみようかな。お近くの方も、よろしければ是非!