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【 外壁サイディング 】 採用された施工方法によって…想定しておきたい経年修理事例

春になると、家の修理やメンテナンスを具体的に検討される方が増えてきます。外壁種類の一つであるサイディングの施工方法によって、どんな修理を想定したほうがよいか、事例を踏まえご紹介します。


●まず…外壁サイディング とは?

サイディングとは、建物の外壁を仕上げる為に張る板状の材料です。
①様々な模様や材質があり、選んで注文
②材料はメーカー工場で製造、現場に運ばれる
③施工業者さんが外壁材を現場で切り張り施工する
超簡単に表現すると、こんな感じです。

又、とても分かりやすく整理していらっしゃる記事がありましたので興味ある方は下記ご参考下さい。



●張る方法で、劣化現象は変わる?


サイディングを家に張る方法はおもに…
釘打ち方法 と 金具留め方法 になります。

選ぶサイディングによって、釘打ち方法だけ出来るものや、金具留め方法を選択できるサイディングもあります。製造メーカーの指定になり、工事業者や建築士が勝手に決めてはいけません。

実は…張る方法によって、経年変化現象が違ってきます。どちらが良し悪しはありませんが、工事費用にとらわれすぎずに
☑ 経年変化現象の違い
☑ 工事する業者さんの意見
を含めて判断したほうが、結果的に住む人も得策になるでしょう。

サイディング施工方法について、意見されたい工事業者さんはかなり居られると思いますので、相談する業者さんに遠慮せず聞いてみましょう!


●釘打ち方法のサイディングに見られた事例


①釘周辺のサイディングヒビ割れ
施工次第では、サイディング端部にヒビ割れが発生する場合があります。これを防ぐにはメーカーの施工マニュアルを遵守しての施工が重要ですが、新築時はわからないくても、経年変化でヒビが現れる事例もたまに見られます。

釘打ちで割れ発生したサイディング事例①
釘打ちで割れ発生したサイディング事例②

そこで、釘打ちで施工されたサイディングの経年メンテナンスを検討する際、及び見積する際には、釘によるヒビ割れが発生していないか点検を推奨します。点検の理由は…ヒビ放置すれば
☑ ヒビから雨水が侵入=外壁からの雨漏りが起き、 
  サイディングや下地が傷むから
☑ ヒビ端部のサイディングが弱くなり、浮き上がり
  や欠けにつながるから 
です。

メンテナンスの経験則ですが…
小さなヒビの修理もきちんと検討して実施したほうが、後々メンテ費用も掛かりにくく住み続けられます。


② 釘の浮き上がり

サイディングに打たれる釘は、選んだサイディング品番専用のメーカー指定の釘を使用します。抜けにくい形状になっていますが、家が経年変化や外力(地震や風圧など)の影響で、何百本の数本が浮いてくる経年現象がたまに見られます。

経年で一部が浮き上がった事例

そこで、釘打ちで施工されたサイディングの経年メンテナンスを検討する際、及び見積する際には、①同様、釘浮き上がり点検、あれば修理実施を推奨できます。 


③釘頭部の塗装(タッチアップ)色褪せ

選んだサイディング品番での専用釘は一般的に、品番の色合いに近い着色が釘にされて納品されます。

しかしながらどうしても釘打ちしていれば、トンカチで釘頭を叩くので、一部釘頭の塗膜がはげます。

釘打ちによって釘頭の塗膜はハゲる

これは施工上やむを得ないことなので、メーカーでは釘同様に「選んだサイディング品番の専用の釘頭補修液(タッチアップ補修塗料)」も用意しており、通常はサイディングや釘と一緒に補修液も注文するのが適正です。

現場でサイディング施工が完了してから、釘頭を見回りながら、釘頭にタッチアップ塗装する必要が生じます。一般の方には分かりにくいですが、釘打ち方法によるサイディング施工はここまでやって完了となる…労力や手間がかかる特徴があります。

ところが、予算調整なのか良かれなのか不明ですが事例として、品番専用補修塗料を使用せず、近い色を塗装業者さんに作らせて釘頭にタッチアップ塗装したケースが過去に見られました。

メーカー指定塗料不使用の場合、早期に目立った事例

メーカー専用補修塗料を使わずにタッチアップして場合、メーカー専用を使うよりもずっと短命に色褪せがきます。ベテラン塗装業者さんから教えていただいた「経験則」らしく、やってはいけない補修塗料選択です。


さて、釘頭タッチアップに話は戻り、このメーカー専用補修塗料でも、概ね10〜15年経つと(材料の耐久性、降雪地や厳寒地の有無、設計された条件や環境の違いで差はあります)…、色褪せがいずれ発生してきます。

実際には、釘だけでなくサイディング自体も色褪せは起きていますが、外観の見た目で釘部の色褪せが特に目立つようになります。

ちなみに…釘打ち方法でなく金具留め方法でも、少しだけ釘打ち箇所が必要になります。しかしながら、金具留め方法による施工は、釘打ち方法による施工に比べ、紹介してきたような現象や修理が少なくなる為、どちらを採用するか「費用対効果」目線で検討してみる価値はあると考えます。



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