お江戸版!『魔女の宅急便』/てやんでえ べらんめえの生まれたる所以
江戸 日本橋の和菓子屋さんに
鎌倉から修行に来た
女の子のお話し。
オーディブルで知ったが、
面白かったので
やっぱり紙の本で、
自分のペースで読みたくなって
読んだ本。
仕事での事、周囲との関係。
和菓子について
知識を得たり
共感できたりする。
今は十巻まで出版されていて
読み進め、冊数を重ねる毎に
読むスピードが
早くならざるを得ない展開。
私が感謝したいのは
この一巻での
江戸の描写。
このお話しの舞台は
1849年の江戸幕府が開かれて
250年以上が経つ時分。
最初の頃は人手も技も足りなくて
酒、反物、菓子など
多くのものを上方から取り寄せた。
上等なものは下り物と言われ
「下らない」とう言葉は
ここから来ている。
幕府に出入りするのも
京菓子と決まっていただ
徐々に土地を反映した物が増え
力をつけていった一方で、
やはり京都が一番と考える人も
少なくなく。。という描写だ。
私は歴史の勉強は
好きではなかった。
脇にそれるが、
井上雄彦さんの
『バガボンド』という
宮本武蔵の漫画がある。
最初の方で
躊躇いなく人を殺めていた
武蔵を沢庵和尚が
諭す場面。
殺された者にだって
家族がいた者、
犬飼ってた者、
ただなんとなく
生きてた者が
いたんだぞと言う。
この箇所も思い出した。
小中学生の頃など
駆け足で歴史を勉強する中、
その時代の人々の気持ちに
馳せることはなかった。
そしてそのまま
想像力の欠如した
大人になり。。
この本を読まなければ、
江戸の人たちの葛藤や
悔しさがあったことなど
想像できなかった。
てやんでい!べらんめい!
の精神は、京都に対して
卑屈になりつつも、
なにくそ根性があったのか。
何かで聞いた事は
あったかもしれないが、
その時代の人にスポットを当てた
小説を読んでいるから
心を寄せられた。
物語の人物の動向に
はらはら、わくわくしつつも
季節のお菓子の知識や
授業とは違った
時代背景にも思いを
馳せられる。
そんなご本が中島久枝さんの
菓子ばなしだ。