レッサーパンダ

他者の幸福を目的に生きる人です。 理想の社会は何か、現代社会の課題、社会変革の方法、の…

レッサーパンダ

他者の幸福を目的に生きる人です。 理想の社会は何か、現代社会の課題、社会変革の方法、の3つをテーマにアウトプットしていきます。 人材系ベンチャーで働く社会人。

最近の記事

なぜ日本政治は変わらないのか

岸田政権は全く人気がないが、下野する気配はない。 野党も政権交代できる程の支持はない。単発的にポピュリストは生まれるが、アメリカやアルゼンチンのように政権を取るほどの勢いはない。 結局、自民党政権が続いていく。 自民党には古くからの大企業・レガシー産業体や富裕層、地方の農家・高齢者層など既得権益化した”古い日本”を代表する支持層が張り付いており、日本が、自分たちが死ぬまでは、このまま都合の良い形から変わらないように目を光らせている。そして、少子高齢化が極まる日本では既得権益

    • 読書感想文~『推し、燃ゆ』~

      主人公には、言葉がない。 自分の『苦しみ』を表現する言葉を持たない。 だから、誰からも理解されない。 そんな中で、テレビの向こうのアイドルに、『苦しみを理解されない自分像』を投影し、「推し活」に没頭する。 しかし、推していたアイドルが炎上・卒業することで、推し活は強制的に終了する。 結局、アイドルも他者であり、自分そのものではないから勝手にいなくなる。 アイデンティティの依存先を失った主人公は、立てなくなり物語は暗いエンディングを迎える。 主人公の孤独は、言葉にできな

      • フランス政治の今~理想は挫折するのか~

        「人間は自由で権利において平等なものとして生まれ、かつ生きつづける。社会的区別は共同の利益にもとづいてのみ設けることができる。」 1789年のフランス人権宣言は上記の第一条の条文から始まる。 これ以降、フランスは人権理念の母国として、世界の自由主義化を牽引してきた。 しかし、その理想が今挫折の危機に瀕している。 ポピュリズムの台頭と民主主義政治の機能不全2024年7月の議会選挙で、与党・中道連合は大きく議席数を落とし第二党となり、左派連合が第一党となった。また第三党の右

        • 読書感想文⑨~『企業変革力』~

          企業だけでなく社会・組織変革にも通じる変革論の古典的名著!経営学の大家・ジョン・コッタ―が記した企業変革論。 入社1年目の時に、部長からおススメされた本だったが、これまで本棚に積読したままであったことを思い出し、読んでみると、驚くほどの良書だった。 これだけ簡潔かつ明瞭に企業変革の原理原則を整理した本を読んだことはなかった。またその抽象度の高さから、企業以外の組織、あるいは社会に向けた活動全般に応用できる程の射程の広さがある。 巷に出回る新書を読み漁るくらいなら、この1

        なぜ日本政治は変わらないのか

          読書感想文⑧~『孔丘-こうきゅう-』~

          人間・孔子の「成長し続けた」人生儒教の始祖・孔子を神格化せず欠点も含めてありのままの姿を描いた人生譚。 類まれな探究心により、前人未到の領域まで世界への洞察を深め、天下にその名声を響かせ優れた弟子を集め育て上げる一方で、過去の傷から女性や子どもへの偏見や挫折により落ち込む姿や弟子に見損なわれることもある。 歴史に名を残す偉人もきっと人間臭い一面があるのだと思える。 しかし、歴史に名を残すからには、必ず卓越した一面があるはずだ。 孔子の場合、それは、飽くなき『探究心』であ

          読書感想文⑧~『孔丘-こうきゅう-』~

          読書感想文⑦~『CFO思考』~

          初学者向けとして最良のCFOの教科書MUFG、ニコンCFOを歴任した著者が体系的にCFOの意義や責任範囲・業務領域を整理しており、ファイナンスに疎い人間でもスッと入ってくる。今後ファイナンスに1ミリも関わらないビジネスパーソンはいないはずなので、本棚に一冊置いておくと必要な時にとても便利。 また、本書によると、近年CFOの役割は経営戦略やDX・HRにも伸びており、COOは肉体を司っているならCFOは頭脳であるような印象を受けた。 であれば、CEOの役割はどこにあるのか?

          読書感想文⑦~『CFO思考』~

          読書感想文⑥~『リクルートのDNA-起業家精神とは何か』~

          戦後最大の新産業創造者・江副浩正の起業哲学戦後、一学生から情報産業の創造者となった江副が自らの経験に基づく原則を簡潔に述べた著作。 読み慣れた内容が多いのは、それだけその後の日本の起業家たちにとって支配的な影響力を持った存在だったからなのか。 特に印象に残った言葉を記しておく。 ・経営哲学を社員に共有すること ・失敗を恐れるな。しかし同じ失敗は二度とするな。 ・変化をコントロールすることは出来ない。できるのは先頭に立つことだけである。だが先頭に立って成功するにはスタートの時

          読書感想文⑥~『リクルートのDNA-起業家精神とは何か』~

          イギリス政治の今~議院内閣制の機能不全~

          2024年7月のイギリス議会選挙において、労働党が大勝し14年ぶりの政権交代が実現した。 しかし、この結果は、与党・保守党の失政による国民からの信頼失墜による"消極的選択"と言われており、国民から労働党へ期待が寄せられているわけではない。 かつて、「民主主義のモデル」と称賛され、日本国内でも理想とされてきたイギリス政治だったが、現在では民主主義の機能不全を代表する例として取り上げられることもある。 一体、イギリス政治に何が起こってしまったのだろうか? 議院内閣制の前提の

          イギリス政治の今~議院内閣制の機能不全~

          読書感想文⑤~『破天荒フェニックス』~

          日本版『ハードシングス』~生々しいドラマの中に見える経営の普遍原則~本書は、14億円の借入金があり債務超過に陥っていたオンデーズの社長に就任した田中修二の奮闘を描く小説である。 本書は、とにかくドラマチックかつ生々しい苦しみが描かれる、日本版『ハードシングス』のような本だった。登場人物たちの裏切りや想定外の困難と僥倖が目まぐるしく降ってくる。その中で並外れた挑戦心と諦めの悪さで起死回生の逆転を繰り返す田中社長の”破天荒フェニックス”ぶりは、まさに起業家だなと思うし、これくら

          読書感想文⑤~『破天荒フェニックス』~

          【所要時間15分】最適な都知事を選ぶための情報整理をしてみた~忙しい都民の皆さまへ~

          忙しい都民の皆さまへ 2024年7月7日は、東京都知事選挙の投票日だ。 都民のみなさん、都知事選びのための情報収集は済んでいるだろうか? ただでさえ仕事や家事で忙しい毎日。 その上メディアでは、真偽の定かではない偏った情報が散らかっており、「どうやって都知事を選べばよいのか」「そのための必要十分な情報はどこにあるのか」悩まれている方も多くいるのではないか。 そこで、今回は、最適な都知事選びのために、十分ではないが、必要最低限の情報を整理しまとめてみた。 ※とはいえ長文に

          【所要時間15分】最適な都知事を選ぶための情報整理をしてみた~忙しい都民の皆さまへ~

          読書感想文③~『意識と本質~』井筒 俊彦~

          最も進んでいる哲学だった?!東洋哲学の総覧難しい。。これが本書を読み始めた際の最初の感想だった。 新しい概念だらけで理解が追い付かない。 2周して図解化してなんとか分かった気がするのが今の状態だ。 しかし、おぼろげな理解ながら、西洋哲学に染まってしまっている現代の私たちにとって、独創的で、新たな方向性を示してくれる思想を持っていると思う。 特に、「本質は存在しない、故に我々は自由だ」という本質否定派(禅、大乗仏教など)の思想は、西洋哲学の限界として表れたポストモダンの隘路

          読書感想文③~『意識と本質~』井筒 俊彦~

          読書感想文②『「社会正義」はいつも正しい』

          今回も最近読んだ本の感想を書き留めたいと思います。 最近、「ポリティカルコレクトネス」や「アイデンティティポリティクス」という言葉が日本でも聞かれるようになりました。本書では、その震源地であるアメリカから、こういった概念が自由や科学を重んじるリベラリズムをを蝕んでいることを指摘しています。 本書の要旨~社会を破壊するものの正体~ 現代社会は「分断」に悩まされています。 その理由が「アイデンティティポリティクス」や「ポリティカルコレクトネス」であり、それらの理論の下敷きにポ

          読書感想文②『「社会正義」はいつも正しい』

          読書感想文~『正欲』朝井リョウ~

          今回は、昨日読み終えた小説の感想を書き留めたいと思います。 私のNoteのテーマである他者の幸福について関連する非常に興味深い内容でした。 僕らはあまりにも違う生き物だけど、一つになろうとする 世の中には「こうあるべき」という常識がある。欲望も「性欲はこうあるべき」など一つの尺度で語られる。それが「正欲」だ。 主人公たちは、いわゆる「異常性癖」の持ち主で、「普通ではない」ものに性的興奮を覚える。自分でも自分が気持ち悪い。それでも生理的なものだから止められないのだ。 ま

          読書感想文~『正欲』朝井リョウ~

          解説シリーズ①~ Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2024」~

          新シリーズ第一弾今回は新シリーズ、解説シリーズの第一弾です。 このシリーズでは、私の独断と偏見でピックアップした、理想社会や現状の課題、その変革方法について、解像度を高めてくれそうな記事や動画、本の内容をより詳しく解説しようと思っています。 第一弾は、先日、世界的な経済誌『Forbes』で特集された、「日本の起業家ランキング2024」の内容を解説します。 私としては起業家こそが現代社会において、最も社会変革に適した職業だと思っており、その最前線にいる人物たちがどういった人で

          解説シリーズ①~ Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2024」~

          レッサーパンダがnoteを始めた理由

          初めまして。 レッサーパンダです。 今回は私がnoteを始めた理由について書きたいと思います。 そのために、まずnoteを始める理由につながる、私の人生の目的についてお話しさせてください。 レッサーパンダの人生の目的の話他者の幸福を最大化すること。 それが私の人生の目的です。 他者とは、現代だけでなく、これから先の何十年、何百年、何千年先に生きる人々、それだけでなく広義でいうとの生命全般を指します。 生きとし生きるものすべての幸福を最大化したいと思っています。 すごく大き

          レッサーパンダがnoteを始めた理由