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「直感で食べる」
以前読んだ栄養に関する本に興味深いことが書いてありました。
その本はアメリカ人の栄養学者が書いた本で、理想的な栄養バランスを摂取するために、動物と人間はどういった食事行動をしているのか研究した内容でした。
それによると、人間以外の恐らく全ての動物はただ直感的に食べたいものを食べるだけで完璧にバランスの取れた食事が出来ているのだそうです。
本にはゴリラの例が示されていましたが、驚くほど多種類の食べ物を食べていながら、完璧にバランスが取れる量と種類を選んで食べているのだそうです。
バランスが崩れる餌を与えても見向きもしないそうなので、まさに本能のなせる技だと思います。
ところが人間は放っておくと極端な食事行動をしてしまう人が居ることは誰もが知っている事ですね。
これは人間だけが「考えて」食べるからだと言われますが、そもそも「脳」が体に悪いものが大好きだという事実があります。
例えばスイーツが大好きな人は沢山いるわけですが、甘いものを食べすぎると体に様々な悪影響があることは誰でも知っています。
にも関わらず食べてしまうのは、脳が刺激を欲しがるからです。
アルコールもそうですね。私は毎日晩酌を欠かしませんが、不思議なものでアルコールというものは、ある一定量を超えると脳内のリミッターが解除されてしまいその人の限界を超える量でも平気で飲める様になります。
結果、翌朝とんでもない二日酔いになりほぼ死人の様に一日過ごす事になるのですが、これも人間ならではの事だと思います。
人間と野生動物を同列に比べることは出来ないですが、人間がこれほどに食べる事に関して本能を失ってしまったのは人間が料理をするからだと私は常々思っています。
料理という行為はクリエイティブな要素を含みますのでそこには「食べる」以外の要素も表現される様になります。
キレイに盛り付けられた一皿を前にすると、誰でも一種の高揚感を感じますし、それは食欲とは別の部分も刺激します。
「食べる」という日常から「愛でる」という非日常にスイッチを切り替えさせるチカラが料理にはあります。
そこには栄養のバランスなど関係ありませんし、刺激的な方がより非日常感が増すわけですからつくづく人間という生き物は煩悩にまみれた生き物だと思います。
ただ、だからと言って人間も動物と同じ様に完璧な栄養バランスを直感的に理解してそれだけを食べる生活が良いのかと聞かれると、そんな味気ない食生活などまっぴらご免というのが正直な所です。
結局その部分が人間と動物を分ける根本のところだと思うのですがどうでしょうか。
*JEUGIAカルチャーセンター堺タカシマヤ教室
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*アゼリアカルチャーカレッジ
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