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閑話休題「独り暮らしの食卓」

日本は現在、世界に先駆けて超高齢社会に突入しているわけですが、高齢者が増えるという事は、そのまま独居老人が増えるという事でもあります。

人間、家族が周りにいれば面倒臭くても料理をしますし食事もそれなりにちゃんとしなければと考えますが、独りになるとその辺りのケジメが徐々に無くなっていきます。

特に仕事をリタイアしている場合は、人によってはかなり適当になるのではないでしょうか。

私の父などは元々料理も出来ませんでしたし、独り暮らしになってすぐに老人向けに配達してくれるお弁当を注文する様になりました。

この場合は業者さんがしっかりと内容を考えて作ってくれるお弁当ですので栄養面の心配も少なくてすみます。

ところが、料理は出来るけど好きではないパターンの人に問題が起こることが多いようです。

私の義母の場合がその典型的なパターンでした。

義母はすでに他界していますが、体調を崩して私の家族が同居するまでの食生活は相当無茶苦茶だった様だと後から色々聞かされました。

元々料理をする事が好きで無かったのに加えて、偏食もある人で、お昼なんかはお菓子だけで済ますような人でした。

いつもそんな風では勿論無かったでしょうが、そうした事が少しずつ積み重なって月日が経つうちに結構重い骨粗鬆症になってしまいました。

ある日椅子から立ち上がろうとしたら大腿骨の付け根辺りが折れてしまい、それがきっかけで人工関節を付けることとなり、そのまま要介護となったのですが背骨を何度も圧迫骨折してどんどん背が縮んで行ってしまいました。

結果的に歩くことも難しくなり寝たきりの果てに亡くなったのですが、食生活をほんの少し気をつけてさえいれば、もっと健康的な最晩年を過ごせたのではないかと思います。

ところで最近本屋さんに行くと、独り暮らしのお年寄りの生活を題材にした本を目にすることが増えました。

先日見つけたのは、団地で独り暮らしするおばあちゃんの料理術を紹介する本だったのですが、80歳を超えても全く悪いところがなく元気に暮らしている様子が写真付きで紹介されていました。

料理に関しても、独りだからこそ出来る「前向きな」手抜き料理を作りながらも、栄養面についてはしっかりとバランスの取れたものを食べている様子が載っていました。

食事というのは難しい事を考えなくても、主食のご飯があって、ご飯が進むおかずがあって、それにプラス汁物や小鉢物があれば結果的にバランス良く栄養が摂れるようになっています。

何品も作るのが大変であれば、スーパーやコンビニに行けば1人分の惣菜が色々ありますから、こうした食品を上手に活用するのもこれから先の賢い歳の重ね方かもしれませんね。

かく言う私も独り暮らしなので、肝に銘じて生活したいと思います。

*JEUGIAカルチャーセンター堺タカシマヤ教室
「介護の為の簡単な料理術」はこちら
https://culture.jeugia.co.jp/lesson_detail_65-57188.html

*アゼリアカルチャーカレッジ
健康長寿食を作ろう」講座はこちら


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中嶋洋二郎
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