閑話休題「あの世に戻るタイミング」
以前知り合いと親の介護や看取りの話しをしていたら、その知り合いから「長年連れ添った夫婦は、同じ様な時期に死ぬからねえ。」と言われた事があります。
確かにそう言われてみれば、私の両親は二人とも同じ8月に無くなりました。同じといっても、母が亡くなってから何年も時間をおいて同じ8月に父が無くなったという事なのですが、そういうものかなといった程度にその時は思っていました。
それが今年、私の叔父が亡くなったのですが、叔父の奥さん(義理の叔母)が先に亡くなって、その葬式を終えて家に帰ってきて居間でほっと一息ついた状態でそのまま叔父も亡くなってしまいました。
義理の叔母が亡くなって僅か数日後です。
亡くなった叔父夫婦はとても中の良い夫婦でしたので、叔父が寂しさの余り追いかけて行ってしまったのかなと思ったものです。
この世に肉体を纏って生まれてきて、そして必ず再びあの世に帰っていくのが人間ですが、あの世にも戻るタイミングというものがあるのかなあと思ってしまいます。
ちょっと疑問に思うのは、別れた元夫婦の場合やあまり仲の良くない夫婦の場合はどうなんでしょうね。やっぱり同じ時期に亡くなるのでしょうか。
そんな事、調べようもないので分からないですが、少なくとも別れた元夫婦の場合はそうした偶然が起こる確率は低いような気もします。
実は老人ホームなどの施設で働いていると、ご夫婦で施設に入居していた方のどちらかが亡くなると残された方も後を追うように亡くなる事を結構体験します。
こうした事実は、人間の生きる力というものが「心」に大きく依存していることを示しているのではないでしょうか。
ちょっと別の話しになりますが、私が離婚を決意して家を出て独り暮らしを始めたときに、一番寂しさを感じたのは、意味の無い何気ない会話をする相手が居ないという事でした。
自分で独りを選んでおいて、そうした寂しさを感じるのが人間ですから、ましてや仲の良いパートナーを亡くした喪失感はいかばかりかと思います。
一方で、人の寿命は生まれたときから決まっていて、まだこの世での役目が終わっていない人は、いくら死にたくても死ぬことは出来ないといった話しも聞きます。
実際に何度も自殺未遂を繰り返した人が、結局死ぬことが出来ずにその後社会的に成功した話しなどは良く聞く話しです。
スピリチュアル系の本などを読むと、人は生まれてくる前に自分の寿命を決めて生まれてくると言います。その事が本当かどうかは死んでみないと確かめようがないですが、あの世に行ってから、この世で一緒に過ごした人と会うことがあるのなら、少なくとも近しい間柄の人くらいは仲良くしておくことが、安らかな最後を迎える助けになるのではと思います。
*アゼリアカルチャーカレッジ
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