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寿命と食欲

今年も相変わらず高いですね。ウナギの話しです。

国産のウナギなら一尾3,000円前後もしますので、気軽に買う気には中々なれません。

私の亡くなった父が大変なウナギ好きだったものですから、父を介護していた頃は良く買ってきて一緒に食べた思い出があります。

土用丑の日でなくても食べていましたが、亡くなった年の7月の丑の日にも勿論買ってきて食べさせました。

父が亡くなったのは8月でしたから、丑の日のウナギを食べて一月も経たないうちに他界してしまった事になります。

そんな事を思いながら、当時付けていた介護日記を読み返してみたのですが、何とその時に父は、私が買ってきたウナギをほぼ一人で一匹食べてしまったと書いてありました。

当時の父はもうかなり体力が落ちていて、中々食事を満足に食べる事も出来ない状態だったのですが、大好物のウナギだけは別だったようです。

人間というのは現金なもので、普段は食が進まなくても、好物なら普通に食べる事が出来るというよい例だと思います。

実は同じ様な例を職場の介護施設でも経験した事があります。

この時はウナギではなくサンドイッチでした。

このお年寄りは歯が悪くて、食事形態は全て刻み食で提供していました。入れ歯もあまり口に合っていなかったようで、食事も残しがちな方でした。

あるとき朝食にサンドイッチを出す事になりましたが、サンドイッチはあまり小さく刻む訳にもいきませんので、とりあえず崩れない程度の一口サイズに切りそろえてお出ししてみました。

結果は珍しく完食だったのですが、更に驚いたことには、次回からサンドイッチの時には切らずに他の人と同じ大きさのまま提供して欲しいとの要望までされました。

それを聞いた厨房のスタッフは皆一様に「えっ?大丈夫?」といった反応でしたが、実際に提供してみたら、本当に大丈夫だった様です。

私はその方が食べるところを見たわけではないのですが、介護士さんから聞いたところ、必死にかぶりついて美味しそうに食べていたそうです。

普段は本当に食が細くて食べない人でしたので、皆で驚きました。

実は他にも同じ施設でいくつか同じ様な経験があるのですが、私の父も含めて、すでにあまり食べられなくなっている方の寿命は長くありません。

父はウナギを食べてから一月足らずで亡くなりましたし、この施設の方も確か半年ほどで亡くなった気がします。

だからという分けではありませんが、自宅で介護されている方で、要介護者の食欲が落ちてきて復活の兆しが中々見られないときは、是非好物を食べさせて下さい。

間違いなく食べてくれますし、本人もとても喜ぶと思います。

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中嶋洋二郎
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