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閑話休題「楽しんだ先の人生」

老人の介護施設に日々出入りしていますと、どうしても「死」というものに数多く直面します。

昨日まで元気に食事をしていた方が、翌日には亡くなってしまう様な事も普通にあります。

そんな状況を何度も目にしながらも、人間というものはどうしても「死」を自分の事として考える事が出来ません。

だからと言って、明日死ぬのではないかと怯えながら暮らすわけにもいきませんので、結局今この時だけを楽しむほかないのが人の世の理なのかとも思います。

アリとキリギリスの話しでは、夏の間にしっかり働いて食料をため込んだアリが善で、毎日バイオリンを弾いて遊んで暮らしていたキリギリスが悪という事になっていますが、そうとも言えないなと、歳を取ってから思うようになりました。

私には兄と姉がいて、二人とも勉強も出来て良い大学に進学し、社会人になってからも高い収入を得て立派に暮らしていました。

しかし二人とも既にこの世にいません。兄は50代半ば、姉は還暦を迎えるころにはあの世に行ってしまいました。

一方の私はというと、真面目に勉強して良い大学に進学してサラリーマンになるといった普通の道をどうしても思い描くことが出来ず、高校を卒業してから何度かの転職も経ながらほぼフリーランス的な生き方をしてきました。

今の私はアラ還なのですが、ここにたどり着くまでには、経済的に破綻する事も経験しましたし、離婚も経験しました。

色々ありすぎたお陰で貯金もなければ名誉も肩書きも、一般的に良しとされるものは何も持っていません。

真面目でお金持ちだった兄と姉は早くに亡くなり、キリギリスの様に生きてきた私だけがまだ生き残っています。

そんな事を思った時に、やはり人生は楽しむ事が大切で、明日のために貯金することも大事かもしれませんが、そのお金を使って今出来ることをした方が、結果的に豊かで充実した人生を送れるのでは無いかと、先に逝った兄姉を見ていて思った次第です。

ところで今私が関わっている老人ホームには90代の元気なおじいさんがいらっしゃいます。

このおじいさん、とにかく若い女性が大好きで、女性の介護士さんや職員さんを相手にいつも楽しそうにしているのですが、最後にこのおじいちゃんの名言をひとつご紹介します。

「歳を取ったお陰で、ちょっと移動するだけでも若い女の子に手を握って支えてもらえる。長生きはするもんだな。」

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中嶋洋二郎
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