見出し画像

統合失調症の理解と対応:妄想、幻覚、コミュニケーションの難しさに向き合う

僕は介護士10年目の介護福祉士です。現在働いている有料老人ホームに統合失調症の利用者様がいますが、対応にとても苦労しました。
統合失調症は精神障害に分類されます。僕の施設にOさんという男性利用者さんがいますが、男の人が嫌いで僕のことをヤクザ、暴力団と呼びいつも喧嘩腰でまともに会話ができなかったり、『あなたは僕を殺す気ですよね』や夜中3時にナースコールで呼び出し『殺し合いしよか』と言ってきたり、僕を威嚇する為ドアを蹴ったり、夜中に居室のドアを開けたり閉めたりバンバン音を立てて威嚇したりしていました。女性スタッフに対しても『僕が風呂に入っている間に僕の部屋に入ったら殺す』と言ったり職員にたいして好き嫌いが激しかったです。
徐々に好きな女性職員にはセクハラをするようになり『セックスがしたいです。』『誰か出来る人いませんか?』夜中にシコシコしながら『あー、でる、新聞紙、、新聞紙、、』と言って女性スタッフを怖がらせたりしていました。
上司に相談し入院してもらい薬の調整をして2ヶ月後帰ってくると別人になっていました。大人しく、会話もできる、セクハラはいまだにありますが、認知症も進み、暴言や暴力行為がなくなったので、薬の調節はとても重要なんだと感じました。
今回はどう対応したら本人にとっても自分にとってもいい対応ができるのか調べましたのでシェアさせていただきます。

統合失調症とは?
統合失調症は、脳の情報処理に関わる精神疾患で、現実感の欠如や幻覚、妄想、思考の乱れなどが特徴です。統合失調症の患者は、現実と自己の思考や感情の境界が曖昧になることがあります。例えば、幻聴や幻覚、妄想、混乱した思考、集中力の欠如、感情の平板化といった症状が見られます。この病気は慢性的で、急性期と安定期を繰り返しながら進行します。

どんな人がなりやすいのか?
統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与するとされています。

- 遺伝的要因
統合失調症は遺伝的な影響が強く、親や兄弟に統合失調症を持つ人がいる場合、そのリスクが高まります。

- 環境的要因
早期の脳の発達に影響を与えるようなストレスやトラウマ、特定の薬物使用、妊娠中のウイルス感染などが関係することがあります。

- 脳内の化学物質の不均衡
ドーパミンなどの神経伝達物質の異常が統合失調症の発症に寄与している可能性があると言われています。

統合失調症の対処法
統合失調症の治療は、長期にわたるサポートと管理が必要です。主な治療法は以下のとおりです。

1. 薬物療法

抗精神病薬(特にドーパミンを調整する薬)が用いられ、幻覚や妄想、思考の混乱などの症状を和らげる効果があります。薬物療法は長期にわたる管理が必要です。
 
2. 精神療法

認知行動療法(CBT)や家族療法などが併用され、患者自身の感情や思考を整理する手助けをします。精神的なサポートは症状の再発を防ぎ、社会復帰を助けます。

3. リハビリテーション
社会的なスキルを向上させ、日常生活に戻るためのリハビリも重要です。就労支援や人間関係の築き方など、患者の社会的機能を回復させるプログラムが提供されることがあります。

統合失調症患者と関わる際の注意点

統合失調症の患者と接する際には、以下のポイントを心掛けると良いです。

1. 理解と共感を示す

幻覚や妄想に囚われている時でも、それが患者にとってはリアルに感じられています。批判や否定ではなく、受け入れる態度で接することが重要です。

2. 一貫した対応
情報をシンプルで分かりやすく伝えることが大切です。また、日常生活におけるルールやスケジュールを守るようにすることで、患者に安心感を与えられます。

3. 焦らずサポートする
症状がすぐに改善しないことが多いですが、焦らずに長期的な視点でサポートし続けることが大切です。

4. 専門家との連携
必ず医師やカウンセラーと連携して、適切な治療や支援を提供することが求められます。サポートの方法についても、専門家からのアドバイスを受けることが効果的です。

統合失調症には、急性期に現れる「陽性症状」と、病状が進行するにつれて生じる「陰性症状」、および「認知機能障害」が見られます。

陽性症状
- 幻覚
特に、聞こえるはずのない命令や非難の声が聞こえる幻聴。

- 妄想
被害妄想や、監視されているという感覚。

- 思考障害

論理的な思考ができなくなり、意味のつながりが欠けた言動が見られる。

- 自我障害
自分と他人との境界が曖昧になり、自分の思考が他人に伝わっていると感じたり、操られている感覚が生じる。

陰性症状
- 感情の鈍麻
感情表現が乏しくなり、外部刺激への反応が鈍くなる。

- 無関心
日常的な活動への意欲が低下し、引きこもる傾向が強まる。

認知機能障害
- 集中力の低下
特定の物事に集中するのが難しくなり、注意散漫になる。

- 記憶力の低下
記憶に関する能力が低下し、情報を整理したり遂行する能力が落ちる。

統合失調症は、適切な治療とサポートがあれば、症状をコントロールしながら安定した生活を送ることが可能な病気です。患者の回復をサポートするためには、周囲の理解と支援が欠かせません。

いいなと思ったら応援しよう!