雪国の合間

 間隔が開き過ぎの停車。
 空が長く暗い季節にて。
 孤立という輝きに笑み。
 外積する雪の力と包囲。
 冷感の印象を熱で発散。
 ストーブの灯りで揺影。
 野蛮な視線からの開放。
 打ち吹く無秩序もなし。
 排他の悪意には飽きた。
 殻だけ繕う偽善の悪よ。
 仄かな拒絶に歪む口元。
 いっそ誇示すればいい。
 拒絶と相性の不適合を。
 いっそ誇張すればいい。
 群に加えぬ抵抗の意を。
 付き纏う正が私を殺す。
 首を絞める、躊躇わず。
 人間性の欠片を喰わし。
 愛の枝分かれを見つけ。
 降り注ぐ意志の種別に。
 型への依り分けなどと。
 叶わぬと知り、離れて。
 ほら、彼女が来るから。
 雪の力学を払い、合流。
 待合での再会と不文律。
 艶花への祈りこそ尊命。
 こっそりの継続はまだ。
 私達だけの未成年が故。
 迎えの汽笛に零れる息。
 輝く、未熟由来の未来。


【緑の密会】→【雪国の合間】→【余り詩】の順が私の意図する物語展開列順です。
 綴った文章を読んでいただけることを嬉しく思います。またこの三作品を通して私の創作世界観を気に入っていただけたなら幸いです。

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