意外と
恋人と付き合ってあっという間に半年を迎えたわけですが、こんなにも月日が秒で過ぎていくとは思わなかった。
私は、恋人ができたら……という類の妄想をあまりしてこなかったけど(というのも恋愛をするつもりがなかった)、この半年の間に恋愛の中で起こる憧れられるシチュエーションを何度もくぐり抜けてきたような気がする。渦中にいると実感がないから、結局よくわからないんだけれど。そして今何を言いたいのかもよくわからないんだけれど。
意外と、というのは、わたしが愛情表現としての言葉を発そうとするとき、それを声に出すまでに息が詰まってしまうということ。口下手だろうから絶対にかわいいとか好きとか言ってくれないんだろうなと思っていた彼が、それはもうびっくりするくらい言ってくれている。思っていることを口に出そうとしているときに感じるあの息苦しさは初めて実感したもので、これほど難しいことだとは想像もしていなかった。
そもそも、愛してるという言葉にどうしても重みを感じられない。未だに愛しているなんて感情は全くわからない。わかろうとして、フロムの『愛するということ』という本を買ったけど、積読したままになっている。そして、愛について答えを求める行為をやめてしまった。考えれば考えるほどわからなくなり、見えないしがらみに取りつかれてしまうような気がしたからだ。そんなもの、私にはわからないと手放している方が性に合っている気がする。