新人デザイナーがAARサイクルを実践してみた(前編)
こんにちは!Hamasaki です。
今日はフレームワークについてのお話です。
私は普段の業務でAARサイクルというフレームワークを回しています。今のところ自分にフィットしていて、個人で無理なくコンパクトに回せるフレームワークだと感じているので、皆さんにもご紹介できたらなと思います。
この記事は前編と後編に分けて書きます。前編ではAARサイクルの概要やメリットを、後編で私が実際に行っているAARサイクルの実践例をご紹介します。今回は前編です!
AARサイクルとは
どんなフレームワークなの?
AARサイクルというフレームワーク自体聞き慣れない方もいるかもしれないので、AARサイクルの概要について貼っておきます。
簡単に言うと「予測・実行・振り返り」を繰り返し回すフレームワークです。
また、AARサイクルを回すときのポイントとして、以下のような特徴があります。
ある程度見通しが立ったらすぐアクションする。
自分のアクションによって何が起きたか、できるだけ客観的に記録する。
結果から「なぜこうなったのか」という分析を行い、仮説を立てる。
良かったこと、うまくいったことも理由とともに記録する。
結果と原因をまとめ、ナレッジとして蓄積する。
AARサイクルを使う最大のメリットは、過去の結果の蓄積から教訓を得られることです。
ナレッジを蓄積しておけば、見通しを立てる段階で過去に行っていた効率の悪い点を先に取り除いておくことができます。そうやって継続的に小さな改善を行うことで、最終的には大きな改善へとつなげることができます。
PDCAサイクルとの違い
有名なフレームワークにPDCAサイクルがあります。
PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」「実行)(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」という4つのステップを1サイクルとして、業務改善まで繰り返し行うフレームワークです。
皆さんご存知の通り、ビジネスや教育、あらゆるシーンで活用されてきたフレームワークの1つです。
しかし、変化の激しい今の時代(VUCA時代)には、PDCAサイクルは向いていないという意見も見られるようになりました。
変化が激しい状況や先の見えない状況において、「P(計画)を丁寧に立てて…」としていると、動き出しが遅くなってしまいます。計画を立てている間に状況が変化し、せっかく立てた計画を練り直す必要が出てくるかもしれません。また、そのような状況では長期的な見通しを立てること自体も難しいです。
逆を言えば、目標となるものがはっきりしていて、業務を取り巻くスピードもゆったりした、余裕があるプロジェクトであれば、PDCAサイクルは効果を発揮します。
一方AARサイクルは、動き出しがスピーディで1サイクルがコンパクトです。
アクションを起こしながら少しずつ改善していくフレームワークなので、突発的な出来事にも対応しやすく、今の時代に合ったフレームワークだと言えます。
学習法として注目されている
OECD(経済協力開発機構)が出した「Learning Compass 2030(ラーニング・ コンパス 2030、教育の羅針盤)」では、未来に対応する学習サイクルとしてAARサイクルを推奨しています。AARサイクルは子どもたちの学習法として注目されているフレームワークなんですね。
OECDによると、AARの学習サイクルを繰り返すことによって、変化の激しい社会でも子どもたちは効果的に学ぶことができるそうです。
また、AARサイクルでは「うまくいかなかったこと」の分析だけでなく、「うまくいったこと・よかったこと」の分析も行うので、ポジティブな振り返り活動が行えることも魅力です。自分のアクションを自分で価値づけることで、子どもたちが自分を肯定したり、成長を実感したりする機会にもなると思います。
改善につなげるための振り返りと聞くと、どうしても「うまくいかなかったこと」を中心に振り返りを進めてしまいがちですが、AARサイクルの前向きで希望を持った振り返りを通して、子どもたちが自信やモチベーションを掴んでくれるといいなと思います。反省ばかりの振り返りは大人でもモチベーション下がっちゃいますもんね…。
まとめ
前編ではAARサイクルについてざっとご説明しました。
教育現場で注目されているAARサイクルですが、一般的にはあまり認知されていないのも事実です。
個人的には日常的にも気軽に取り入れられるフレームワークだと思うので、後編では実践例や具体的にどう進めていくのかをご紹介できたらと思います。
ではまた!