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カフェを3年やってみて、カフェ経営が難しいと言われる理由を考えてみた

ネットでカフェ経営、開業などと検索すると、次のワードは『厳しい』
『甘い』『やめとけ』などと出てきます。

カフェ経営に憧れる人が多いわりに、一方では多くの人にカフェ経営は難しいというイメージが浸透していると思います。

そこで今回は、カフェを開業して丸3年が経とうとしている
現役のカフェオーナーとして

個人でのカフェ経営はなぜ難しいと言われているのか、実体験をもとに考察してみたいと思います。


1.客単価が低い

まずは何といってもこれですね。
ここが違えば大体の問題は解決できるんじゃないかなとと思うほどに影響が大きいと思います。

仮に100万円の売り上げを作ろうと思った時に

カフェの客単価を仮に1200円
居酒屋の客単価を仮に3000円

とした場合。100万円に達する客数は

カフェ=約833人
居酒屋=約333人

こんなに差が出てきます。
必要客数には差があるのに、ここに家賃や人件費など必要経費は同じようにかかってきます。

そうなると単純に売り上げが多い方が手残りのお金も多くなります。

「そのぶんお客さんを沢山呼べばいいんでしょ?」

僕も開業する前はそう思ってたんです。。。

居酒屋の方が回転率も悪いし、カフェの方が敷居低いしお客さん多いでしょと思ってました。

この感覚が大きな間違いだったことに気づきました。

2.お客さんをたくさん呼ばないといけない

カフェという業態の場合、客単価の低さを補うためには客数を増やすしかありません。

では、カフェに人が来やすい立地はというと、やはり都会の繁華街になってきますが、まず個人でそんな物件に入居出来ることはないと思います。

仮に入居出来たとしても、家賃が桁違いに高くなるので

必要な売り上げの規模も大きくなり、必然的に大箱でのフル回転させないと成り立たないようになってしまいます。

と考えた時に、個人で借りられる上限はおそらく家賃10万円程度までかなと思います。

坪単価1万円の立地で10坪ほどの面積。

もう少し田舎に寄っていくと15坪くらいまでが、おそらく個人で出来るMax値ではないかと思います。

なので個人でカフェを始める場合、坪1万前後の立地でお客さんを呼ばないといけないわけですね。

僕の店舗も坪単価12,000円ほどの立地ですが

体感としては、おそらく坪1万前後の立地でたくさんの人を呼び込むということが結構ハードルが高いように感じます。

客数が必要なカフェにとってはここも難しいポイントの一つですね。

3.目的来店が難しい

なぜカフェに人を呼ぶのが難しいのかを考えてみると

多くの人にとってカフェを利用するタイミングは

  • 買い物のついで

  • お出かけの際の休憩

  • 職場近くの昼食

といったシーンが大半かと思います。

ハレの日利用であればレストラン、洋食屋さんなど、カフェに行く目的でお出かけする方は多くないと思うんです。

ということは、人が集まる場所、繁華街やビジネス街に出店していない限り
何かしらの来店目的を作らないと集客に苦労するという事ですね。

SNSでバズを生む、時間をかけて口コミで広まるまで頑張る、明確な差別化を打ち出す。

など、目的を持って来店してもらえる人を増やす。

今、僕がカフェをしている立地は、通勤や通学時には人が多いですが、日中は人が少なくなり、ビジネス街でもないため認知を獲得するのに苦労しました。

Instagramをコツコツ頑張って少しずつ認知を獲得し、口コミで少しずつ来店が増えていきました。

街の中心地での勤務しか経験したことが無かったので、こんなに立地で集客が難しいのかと、正直想像以上に苦戦しました。

4.行事毎に影響を受けやすい

街の中心地や観光地以外での出店で感じたのは、紅葉や桜の観光シーズンや、夏場のレジャーシーズン、学校の長期休みなど

とにかく1年の間にある行事毎の影響をモロに受けるということでした。

特にカフェという業態のメインの客層は女性になる場合が多いと思いますが
活動範囲の広い学生はお出かけへ、子育て世代の主婦さん達は子供が家にいるから忙しい。

目的地になりにくい市街地のカフェにとっては、人を呼び込むのが難しい一つと言えると思います。

5.初期投資が大きい

どんな規模の大きさで、どんなコンセプトにするかによって大きく変化していきますが、一般的にカフェの開業にかかる資金の目安としては

1坪あたり40-60万円ほどといわれています。

個人でカフェを始めようとすると、おそらく10-20坪程度かと思いますが、
500-1000万程度の資金が必要になってきます。

全てを自己資金でまかなえるほどの資金があれば、とくに問題はないかもしれませんが、通常は自己資金+金融機関からの借り入れで補填し、開業資金を調達して始める場合が多いとなると

月々の売り上げから返済していく事になりますが、仮に1%の金利で500万を7年返済で借り入れた場合、およそ月6,2000円の返済となり

売り上げ規模が比較的小さいカフェ業態にとっては、この月の返済がじわじわ効いてきます。

どうしてもおしゃれな空間を創ろうと思うと、細部にまでこだわり投資額が大きくなります。

開業時は、「念願のカフェを作れる!」と張り切ってしまうと思いますが、資金の使い道は冷静に、シビアに判断出来るかが重要になってきそうです。

6.労働時間が長い

客単価の低いカフェの場合、本格的な料理とは違い、仕込み時間を短く取り
営業時間を長く取るのがセオリーですが、開店準備や閉店作業をふくめるとかなり労働時間が長くなります。

店を任せられるスタッフがいれば良いですが、個人店でそこまで任せられるスタッフを育成するのは大変です。

オーナーになると営業以外の仕事などもあり、常に現場に立ちながら様々なタスクをこなさないといけないので、体力勝負な一面もあり、その点もカフェ経営の難しい面だと思われます。

7.まとめ

個人でカフェを3年やってみて感じた難しさを列挙してみました。
カフェに限らず、サービス業はどれも大変だと思います。
難しい面に前向きに取り組んでいけるかどうか、が成功の秘訣なんだろうと思いながら自分を奮い立たせています。
ぜひご近所のカフェを応援してあげてください。

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Koki Nakabe/Cafe Primus 店主
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