43歳一独身公務員の旅行記(ニューヨーク編)⑤「ニューヨークの地下鉄はロックだった」
思えば、僕はギターを弾くわけでもないしドラムを叩くわけでもないが、ロックが好きだった。
生きててどうしようもない、なんやねんどうしたらええねん、これいったいなんやねんふざけんな、みたいになって発狂してしまいそうな時、僕はいつだってロックを聴き、叫び、頭をふり、行き場のない気持ちを発散していた気がする。(はたからみると、変な人にしかみえないかもしれないが)
ニューヨークの地下鉄は、そんなロックの雰囲気を存分に感じさせる場所だった。
そう、僕は2018年12月末、ニューヨーク旅行中であった。午前中にセントラル・パークでのランニングを楽しんだ後、YMCAに戻り身支度を整え、ブルックリンに地下鉄で向かっていた。
ニューヨークの地下鉄は斬新だった。
アートはよくわからないが、突如として目の前に現れるタイルアートは、斬新で、挑発的で、不気味で、まるで壁が生きているかのような奇妙な存在感があった!ドラクエのダンジョンを彷徨うような、ワクワク感があった!僕は夢中で写真を撮った!!
これだから海外旅行はやめられないなあ!
ブルックリン駅周辺を散策した。大阪でいう南堀江のような、雑貨屋さんや古着屋さん、カフェが並ぶファッションストリート、のような場所であった。僕はある帽子屋で、ハンチング帽を購入した。日頃帽子などかぶらないのに・・。
僕はハンチングを被り、ニューヨークまでひとり旅するハードボイルドな己に益々酔いしれるのであった❗️
2時間ほど散策し、マンハッタンに戻る。そして僕は衝撃的な光景を目の当たりにすることになる‼️
夕刻になり、地下鉄ホームには楽器を演奏する人、モノを売る人が現れていた。僕は地下鉄の駅のホームに、アメリカの自由を、アメリカのロックを観た気がした。
「これがアメリカなんだ・・・」
地下鉄に乗って席に座ると、ヒップホップ系のお兄さん達も乗ってきた!!
そしたらひとりのおにいさんが僕に近づいてきた!!
「うわ!」
おにいさんは黒人で、身長も優に190はあるようだった。でっかいし、からまれる?と身構えた‼️
めっちゃ目があってる!やばい!
「テイク ア ルック」(みとけよ)
おにいさんはそういうと、僕に指をパチン、てならして踊り始めたんだ‼️電車内なのに⁉️
「カッコええーッ!!!」
僕は思わず拍手した!!!
「サンクス」
そういうと、そのタイミングで電車の扉が開き、ヒップホップのお兄さんたちは瞬く間に出ていったのであった‼️ つまり、この一駅区間の時間を計算したダンス、ショーだったのだ。
「うそやん、ニューヨークすげえ、すげえ・・・」
結構衝撃的で、僕はボーゼンとしながら、それでいてフツフツ、と腹から湧き出るようなコーフンを感じながら、コントンとして、席に座っていたのだった・・・。
つづく
宜しければスキしてください!