新規個別指導を終えて
みなさまこんにちは!
つくば公園前ファミリークリニック、通称ファミリハ®院長の中川です
クリニックがオープンし、1年4ヵ月も経過しております。
おかげさまでかなり認知されるところとなり、遠くからわざわざ足を運んでいただける機会も増えています。
そんな中。
ついに来ました。例のやつ。。。
XX 新規個別指導 XX
開業医がみな恐れるこの6文字熟語。
では、わからない方のためにお伝えします。
われわれクリニックに限らず保険医療機関は決まった枠組みの中に定められた『保険診療』というものを行っており、それぞれの診療内容が項目毎に点数化され、それに対応した診療報酬というものによって経営が成り立っております。
これらの運用には厳格な決まりがあり、大都市における某電話帳の様な枕よりも分厚くて重い本にすべて記載されています。
それなのに、実は一般的な病院でしか働いたことのないドクターは、そんなことはほとんど知らないまま専門医が取れちゃうのです。そのため厚生労働省の偉いヒトは、開業したんだからその決まりをちゃんと守りなさいと仰っているわけです。
新規クリニックの個別指導は開設から約1年後に行われることが多い様です。その間に受診した患者の診療内容を元に、保険診療の運用内容を審査されます。
内容によっては厳しい指摘を頂いたり、いま行っている診療内容の変更を迫られたりすることもあります。大きな間違いをおかしていた場合は、診療報酬の返還を行わなければいけません。
もちろんそういったことのないように日々業務にあたっていますが、重箱の隅をつつかれると何が出てくるかわからないのも真実です。
そういった事態におびえないように、開業医の先生方のお役に立てるようにこの記事を残したいと思います。
個別指導事前準備
そのお知らせがわが元に届いたのはお盆過ぎのころ。
恐る恐る封を開けたところ、紙が数枚入っていました。
まずは診療所の情報を8月中に送りなさいとのこと。
関東信越厚生局茨城支所から送られてきた事前チェックの内容は以下の通りです。
保健医療機関の現況
これだけでも盛りだくさんです。
順番に見ていきましょう。
1〜4まではなんとかなると思います。そのまま記載することです。
5はこれだけではよくわかりません。業務のフローチャートの様ですが、なぜこれが必要なのでしょうか。当院ではこういったものを作って送りました。
特に何も言われなかったのでokなんでしょう。この辺のフィードバックは欲しいですね。なんのために時間を使ったのやら。
6の保険外負担一覧表。これは以前から使っているものをそのまま流用しました。
7はどこまで記載すれば良いのかわかりませんでしたが、思いつくまま並べたところ17社ありました。保守点検をいらいしている会社が多かったですね。
業務委託についてはこちらに記載があります。
おそらく検査の委託や滅菌、医療廃棄物についてが書いてあれば問題ないのではないでしょうか。
9.の院内掲示物ですが、誤字があった部分を細かく見つけて指摘されました。×保健診療→○保険診療
あとは施設規準の届出を出している場合は全ての記載が必要です。
10.出席者名簿。今回の個別指導には院長である自分、看護師1名、事務1名の3名で臨みました。
準備する書類
これまた多いです。
各部署に分配して準備を行いました。
診療録は指導の1週間前にFAXで該当患者が知らされるかたちでした。
昔は1日前とかに来ていたみたいですが、いろいろ調べたりしなければならず、1日で対応出来る内容ではないように思います。
薬剤情報や院外処方箋、診療費請求書、領収書はサンプルで良いみたいです。
日計表というやつはよくわからなかったのですが、電子カルテのベンダーに聞いたところ、いわゆる3号用紙というものらしいです。
いろいろ準備をおこないましたが、当日足りないものも出てきていたので電子カルテをパソコン毎持って行けばよかったなと思います。
個別指導当日
平日お昼の時間帯を指定されました。
13:30〜14:30の1時間。ちょうどお昼休みの間だったので、幸いにも診療を止めずに行くことができました。
暑い中、スタッフとともに3人で向かいました。
部屋につくと厚生局の担当が2人。審査の先生が1人。見届け人の先生が1人といった布陣。
簡単な雑談と自己紹介の後に指導開始です。
指定された患者について1人ずつ確認が行われました。うちは整形外科とリハビリテーション科がメインなので、その内容についてが中心でした。
①リハビリテーション施設規準と算定項目
ここがまず突っ込まれました。リハの施設規準は3つもっています。⑴運動器I、⑵脳血管II、そして⑶障害児です。
リハビリを行っているこどもで、脳血管IIで算定している児がいます。これまで脳血管で出していた施設がほとんどですが、障害児で出さないとダメだよと言われました。多くの施設では障害児の施設規準は取っていないと思われるのでここは大丈夫でしょう。
②カルテ記載について
実際に行われていることと、カルテ内容との整合性についてはかなり細かく確認されました。
リハビリの適応や指示内容、誰が担当でどの様なことをしているのか。そして診察はキチンと行われているのかが確認されました。時間がそれほどないので、内容は細かく確認されませんが、書いてあるかどうかが重要です。
③初診料、再診料について
初診なのか、再診なのか。なんども来ている人に関してはかなり突っ込まれます。期間がそれほど空いていない、病名の着け方がおかしいとなれば、初診ではなく再診と言われる可能性があります。
④レントゲン撮影について
レントゲン撮影をしている場合は、その指示内容と画像の確認が行われます。部位が正しいかどうかや、所見があっているかは特に重要ではなく、カルテの中にちゃんと記載されているかがチェックされます。
⑤書類が揃っているか
患者さんとの同意書や提供文書。計画書などを細かくチェックされます。これについては漏れは厳禁です。こちらも内容がどうとかというよりもあるかどうかです。形式は問われることがないかと思います。算定基準に含まれている場合は必ず必要なので。
だいたいこんなところでしょうか。思い出したら追記しておきます。
こういった面談の際に思うことは、ある程度余裕を持って失敗を含めることです。完璧を狙っていくと、思わぬ落とし穴があります。少し足りない部分、指摘される部分を残しておくと、スムーズにことがすすみます。
指摘されていると、その分時間が早くなくなります。後半は流れ作業の様にすすんでいたので、前半をなんとなく乗り切れれば大丈夫でしょう。
では、最後まで読んでいただきありがとうございます。
新規個別指導、頑張ってください!!
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