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生理痛から得た深い気づき

40代前半の女性が腹痛、吐き気、排便障害、頭痛などの症状を訴えて来院。症状は学生時代から継続しているとのとのこと。病院でも治療を受けており、過敏性大腸炎の診断を受けているとのこと。いわゆる自律神経失調症の症状を呈している。漢方薬の処方を受けており、症状はやや改善しているらしい。インターネットで検索されて来院。

10回ぐらいの通院でお腹などの症状も最初に比べると随分と改善。12回目の施術で、生理痛の原因パターンを深く掘り下げる検査を試みた。生理痛の症状には大きく分けて二つのタイプがある。一つ目のタイプは、生理が最初に始まる時から生理痛が生じるタイプ。二つ目は、社会人になって男女差を感じ始める頃に生理痛が生じるタイプ。

今回ご紹介させていただく患者様は、前者のタイプで、最初から生理痛が継続しているとのこと。すなわち生理=痛みということが当たり前になっていた様子。心身条件反射療法(PCRT)【ニューロパターンセラピー】」の検査では、「何で女性に生まれたのだろう」「男に生まれたらよかった」という感覚が、意識ではほとんどないようだが、何となくそのように感じている自分がいるとのことで反応が示された。

恐らく、この本質的な原因である「緊張パターン」に脳が慣れれば長い間継続した症状は改善されるだろう。そして、この患者様は長い間、様々な症状を抱えているので、健康に自信が持てないとのこと。自信が持てないことも症状が改善されない一因になっている様子。ファミリーカイロで症状が改善してきていることも含めて、自分の身体に自信が持てるようになりたいという。

そこで、患者さんに、「ご自分の身体に自信が持てるような理想の健康な自分を想像してもらえますか?」という質問をし、検査をさせていただいた。すると、身体は「緊張パターン」を示す。

つまり、頭では理想であると感じていても、身体はその理想に抵抗を示している状態。

「健康であることで、何か失うものはないか、もう一人のご自分に質問してもらえますか?」

患者さんは、その質問に何か気付かれた様子で、「何か健康だと人に頼りにされるのが嫌な自分がいますね・・・」と笑顔で話されていた。

「それは、深い気づきですよね・・・」

責任感の強い方なので、恐らく、無意識のうちに責任のある立場を避けるために、不健康な自分であることを維持しようとしていたのかもしれない。よって、健康に自信があり、人に頼りにされる自分には抵抗が生じていたと考えられる。

深い内容のからくりだが、自分を守るために「疾病利得」というエネルギーが働き、健康体であることを避け、健康にブレーキを掛けることは少なくはない。自分を守るための防衛本能によるものだと考えられるが、脳の誤作動、あるいは錯覚を追及するとこのような本質的なパターンに行き着くことも少なくはない。

まずは、このような奥深いパターンを認識されることが大切である。後は、長い目で見た人生の損益計算で、そのパターンを継続した方がいいのか、変えた方がいいのかを決めるのは患者さん自身である。もしかすると、不健康である方が患者さんにとっては都合が良い場合もあるだろう。選択するのは患者さんである。

大切なのは、このような本質的な検査によって、もう一人の自分の存在を知り、認めてあげることだと思う。

2009年10月7日(水) 記

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