ゆずりは ダフネ

今をときめく29歳。恋が分からなくなってそろそろ9年。

ゆずりは ダフネ

今をときめく29歳。恋が分からなくなってそろそろ9年。

マガジン

  • ダフネの日記

    ゆずりはダフネが常々思っていることについて。 (Photo by Angelina Litvin on Unsplash)

最近の記事

「自分だけ生理がまだ」な、少女であり少年だった頃

25歳を過ぎたころから日常をじわじわ侵略してきていたPMSを軽減するために、1ヶ月前からピルを飲み始めた。主に気分の落ち込みとイライラを抑えるのが目的だったけど、ちょうどこの1ヶ月はコロナ騒ぎで仕事に影響が出たり、感染拡大や自粛のニュースを見て勝手に不安になったりしていたので、あまり効果を感じられてはいない。まだ1ヶ月なので、あと2シートくらいは様子を見るようにと、今日お医者さんに言われたところだ。 体感ここ1〜2年、「生理の辛さを知って欲しい」という訴えは毎日Twitte

    • 朝顔

      通勤ラッシュよりもすこし早い時間、今日も駅の向かい側のホームに、青色のエナメルバッグを見つけて安堵する。 学校からの帰り道、いつもそのバッグを探していて、見つければすぐに追いかけた。卒業してからわずか1ヶ月、青色のエナメルバッグを肩から下げた三上裕也の姿を見つけても、追いかけることが出来なくなってしまった。 6:50、都心へ向かうのとは逆方向のホーム、階段のすぐそばで三上は電車を待っている。そちらを見ていると気づかれないように、電車が来る方向を見つめながら、視界の端で彼を

      • 卒業式で涙が出なくても大丈夫だって、言って

        卒業式で泣けないコンプレックスを抱えていたことがある。小、中、高、大と4回卒業式を経験してきたが、当日は涙を流すことなく、「どうしよう涙が出ない。これだから自分はダメなんだ……」という、自己嫌悪で頭をいっぱいにしながら参加していた。 「初めての卒業式」だった小学校は、そのまま中学に持ち上がる地域だったので、泣いている人といえば、親と先生、それから、私立に進学する何人かの同級生くらいだった。当日は、中学に上がったらどの部活に入るか、スクールバッグは買ったか、自分たちの学年のリ

        • 『テラスハウス』で恋バナ経験値取り戻し中

          子どものころのわたしは、席替えするたびにとなりの男の子のことが気になってしまうような惚れっぽい性格で、中学を卒業する頃までは常に誰かに恋をしているような状態だった。 ただ、その秘密を誰かと共有するのはとても稀なことで、違う人に気が移って随分経ってから「実はあのとき〇〇くんが好きだった」と友人に話すのがやっとだった。 みんなと一緒になって「〇〇くんが気になるけど、彼女いるのかな?」「わたしのことをどう思ってるのかな?」なんて話してみたいという憧れはあったけど、それよりも

        「自分だけ生理がまだ」な、少女であり少年だった頃

        マガジン

        • ダフネの日記
          11本

        記事

          処女を喪いたくないはずなのに、誰かに抱かれたい【参・終】

          前回の記事はこちら。 「処女であること」それ以外に自分の価値を見出せず、恋人に精神的に依存しながらも性交渉を拒み続けた結果フラれた。こんなに簡単な、どこにでもありそうな話の続き。 どう見ても自分が悪いのに、彼が開封済みの避妊具を所持していたことをたまたま見かけたことを理由に「わたしは裏切られた可哀想な女なのだ」と思い込むことでしかまとも息ができなかった数年間。 しばらくこの話の続きを、ここに書こうか迷っていた。そうして迷っているうちに半年ほどが過ぎ、間もなく花の季節がや

          処女を喪いたくないはずなのに、誰かに抱かれたい【参・終】

          処女を喪いたくないはずなのに、誰かに抱かれたい【弐】

          前編はこちら 初めての恋人と別れてから、6年が経つ。その間、わたしは誰とも付き合っていない。 彼の部屋で、そこにあるはずのない避妊具を見つけたあの日から、誰のことも好きになれていない。 恋愛をしようと考えるたびに、男性と食事に出かけるたび、友人が手を差し伸べるように誘ってくれた出会いの場に足を向けようとするたびに、「恋愛するなら、処女をあげなくてはならない」という不安に支配されて、苦しくて、重苦しくて、動きたくなくなった。 わたしはその度に嘘をついて、約束から逃げ出し

          処女を喪いたくないはずなのに、誰かに抱かれたい【弐】

          「洋画は字幕しか観ないわ〜」期卒業のおしらせ

          いつもゆずりはダフネを応援していただき有り難うございます。 このたび、弊社事務所に所属するゆずりはダフネですが、2019年6月をもって「洋画は字幕しか観ないわ〜」を卒業することになりました。 映画の字幕に関して、ゆずりはダフネとは折に触れて卒業に関する話し合いを重ねており、結果として、「集中して映画見るの疲れた。ときには適当に見たい」という本人の意思を尊重することとなり、今回の卒業決定に至りました。 ゆずりはダフネの卒業後の鑑賞活動に関しましては、吹替版も活動の対象に入

          「洋画は字幕しか観ないわ〜」期卒業のおしらせ

          ”あいまい”な言葉が世界を広げてゆく

          大好きだったカフェが先日、閉店した。 北欧風のインテリアが可愛い、10人はいるか入らないかの、小さなカフェ。わたしはそこのフィルタードリップコーヒーと、ニューヨークチーズケーキが気に入って、2週に1度通っていたのだ。閉店してからあっという間に1ヶ月が経ち、その場所は檜が似合う小料理屋にすっかり変わってしまった。通い始めてから半年足らず、本当にあっという間だった。 ◇ 初めてお店へ行ったとき、いかにもドリップが上手そうなマスターは、「浅煎りと深煎り、どちらに?」と聞いてき

          ”あいまい”な言葉が世界を広げてゆく

          「処女を喪いたくない」はずなのに、誰かに抱かれたい【壱】

          処女でなくなったら、わたしは一回死ぬんじゃないだろうか。こんなことを言ったら、25過ぎて何を言っているんだと思うかもしれない。好きなだけ笑えばいい。 「一回死ぬ」というのはわたしがよく使う比喩で、もちろん本気で死ぬとは思っていない。 「これまでとは全く違う人生が始まる」みたいな意味合いで、それは期待感というよりも「何かを喪うんじゃないか」という強い恐怖であり、諦めであり、覚悟と言った方が近い。 この強い気持ちを表す言葉を子どもの頃からいろいろ探して来たのだが、毎回「一回

          「処女を喪いたくない」はずなのに、誰かに抱かれたい【壱】

          アラジンの良さが分からなかった子どもの頃のわたしに伝えたいこと|ダフネの映画日記

          実家にはディズニーの名作がVHSで揃っていた。いまも押し入れの深く奥にあるんじゃないだろうか。たしか、親戚から一式譲り受けたのだったと思う。ジャングルブックとか、ファンタジアとか、チップとデールとか、ターザンとか、わんわん物語とか、数にして50本近く、とにかくバリエーション豊かだった。 近所に遊べるような友達はいなかったし、小学校に上がるまではゲームも持っていなかった。遊びといえば隣に住んでいる祖母の家でお絵かきをしたり、工作をしたり、人形を出したりしまったりするばかりだっ

          アラジンの良さが分からなかった子どもの頃のわたしに伝えたいこと|ダフネの映画日記

          ネコチャンかわいい

          何人もネコチャンの前では無力である。 ネコチャンは、人類が数千年かけて文化とともに育ててきた言語をいとも簡単に奪ってしまう。 我々人類とネコチャンの歴史は深く、遥か過去紀元前3000年、古代エジプト文明まで遡り、当時の王朝では…….....ん?おや!ネ、ネコチャン!あ、あ、ああ~かわゆ!あっ、おてて、ネコチャンのおてて……!まるい!しろい!やわらか!ふわふわ! ◇ 何人もネコチャンの前では無力である。 ネコチャンは、ヒトが生まれてから成長とともに複雑化させてきた感情

          ネコチャンかわいい

          アンパンマン的様式美『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』|ダフネの映画日記

          最近、気になる映画はできるだけ公開されてすぐに観に行くようにしている。家から映画館まで歩いて15分しかかからないので、料金の安いレイトショーに行きやすいというのもあるけど、一番の理由は、大きいスクリーンで観たいから。ゴジラ映画は、数年前に『シン・ゴジラ』で一気にハマってしまい、ハリウッド版が公開されるというので週末、IMAXスクリーンで鑑賞してきた。 ◇ 怪獣中学校の同窓会会場はコチラァァァァ!まさしくそんな感じ。ギドラ、モスラ、ラドンなどの大人気怪獣たちが出てくるのは予

          アンパンマン的様式美『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』|ダフネの映画日記

          TRUMPシリーズ『COCOON』|ダフネの観劇日記

          末満健一さん脚本のTRUMPシリーズ、今年の新作である『COCOON』。月の翳り編・星ひとつ編のどちらも観劇。感想と感傷が溢れて止まらないのでnoteにまとめることにした。 こちらは月の翳り編についてまとめた。注意書きの先にはネタバレがあるので、観劇していない人はご注意。 TRUMPシリーズの美しさTRUMP(トランプ)シリーズは、人間の亜種である吸血種・ヴァンプのお話。吸血種の始祖であり永遠の命を持つという誠なる吸血種・TRUMP(True of Vamp)と、人間種で

          TRUMPシリーズ『COCOON』|ダフネの観劇日記

          ていねいな暮らし、無情のペヤング。

          「ていねいな暮らし」の波がまた来た。コイツはわりと頻繁にうちに来る。ピザ屋のチラシより来る。 ていねいな暮らし、その清潔感あふれる響きはたいへん魅力的である。ていねいな暮らしに憧れない20代女子が果たしてこの世にいるだろうか、いや、ない。(反語) 最初のきっかけは、まあ、ありがちだけど、25になってひとり暮らしを始めたときだった。せっかくのゼロスタートだし、誰もが羨むようなステキな生活を送りたい!と息巻いて、何かを始めるときの情報収集に余念のないわたしは、Instagra

          ていねいな暮らし、無情のペヤング。

          「夏」がパンくわえて走ってぶつかってこないかな。

          熱とみずみずしさを、明日使う分も気にせず、ありったけ使い切ろうとする、夏のそういう痛々しいところが昔から好きだった。 理由は今でもうまく言葉にはできないけど、猛暑になると聞けば心が躍り、冷夏の予報を聞けば、農家でもないのに「ああ、夏を1年分失った」とショックを受けるくらいには、夏が好きである。 海ではしゃぐとか、BBQをするとか、屋外フェスに行くとかそういう夏らしいイベントが待ち遠しわけではない。もちろんそういうアクティビティは楽しみだけど、エアコンで寒いくらいの部屋でそ

          「夏」がパンくわえて走ってぶつかってこないかな。