🌼南砺市へ 〜自然と民藝と土徳に触れる旅〜 ①城端編
今年のGWは、日常のバタバタから逃避すべく、富山県南砺市へリフレッシュ旅行へ行ってきました。↓の投稿でも富山旅に出かけているので、今年すでに2回目ですが、雄大な自然や風土・豊かな文化・美味しい食べ物はもちろん、古き良きものと新しいものが共存しているところや、街が美しく保たれているところも素敵で、富山はすっかりお気に入りの県のひとつです😊
今回出かけた南砺市(城端・福光)は、金沢や岐阜(白川村・飛騨市)と隣り合わせになっている南西部の街で、富山市へ出るほうが時間がかかるというところ。里山の風景や町並み、文化や歴史など、どちらとも繋がりが強い印象を受けました。
昨年の6月頃に、世界遺産バスを利用して、白川郷〜五箇山〜城端・福光を巡ったので、その続きの旅になります。
今回は高速バス利用で、城端サービスエリアで下車。道の駅「ヨッテカーレ城端」で、おむすびをテイクアウトして、歩いて10分ほど先にある桜ヶ池という人口の湖へ。素晴らしい眺めと静けさに、日頃の疲れや、ざわざわした気持ちが一気に落ち着きました。
<桜ヶ池>
トップの画像も桜ヶ池です。
湖の周辺には散策コースがあり、近くのホテルに泊まっていると思しき、外国人観光客のグループの方々が歩いていました。珍しい植物もいろいろとあるようで、私は近くを少し歩いただけですが、お花がたくさん咲いていて癒されました。
小一時間ばかり過ごした後、路線バスで城端(じょうはな)の街へ。「越中の小京都」と呼ばれる、古い町並みが残る歴史ある街です。しばらく街を散策したあと、街の中心にある城端別院 善徳寺へ向かいました。
<城端別院>
蔵回廊のある道をまっすぐ行って、突き当たりを道なりに行くと、お寺の大きな山門が見えてきます。井波彫刻の施された立派な門で、かなりのインパクトが。阿弥陀如来が祀られた金色の大きな本堂(靴を脱いで上がることができる)や、境内をお参りするだけでも来る価値はあります。
前回来た時は前を通り過ぎただけだったのですが、今回は南砺市観光協会の「腕輪念珠づくり」の体験プランに参加したので、院内のお部屋の案内や、お寺の歴史について、寺宝についてなど、お寺の方にじっくり詳しく説明していただき、思った以上に充実した時間を過ごすことができました。
他にも加賀藩主の子息が住職として入寺された際に使われた、特別な部屋「御殿」(侵入対策が施されている)や、離れにある、景色が美しい隠れ家のようなお茶室など、歴史やエピソードを交えて丁寧に案内していただきました。歴史には疎い私も楽しめたので、日本史好きな人にはたまらないと思います。とにかく広くて、たくさんの部屋があり、もはやどこにいるのかわからない状態に。。。
寺宝もたくさんあるとのことですが、お部屋には飾られておらず、毎年7月22日〜28日までに行われる「虫干法会」の際に、特別公開されて見ることができるそうです。
<美の法門>
最後の方に、奥の方の、坂のように少し斜めになった廊下を渡った先の部屋へ、「民藝って聞いたことありますか?」と訊かれつつ案内されました。
ここは民藝のファンには有名な、柳宗悦が滞在中にインスピレーションを受けて仏教美学論『美の法門』を書いたお部屋。
実はここが見たかったんです、というのは恥ずかしかったので、「はい。最近興味があって。。。」と控えめに答えると、柳が絶賛した色紙和讃などについて、なかなか詳しく案内してくれました。やはり民藝好きの熱心な方がよく訪れるということ、そして「みなさん柳の気配が感じられるといって感激される」そうです😇
「何か感じますか?」 私「いえ、静かで考え事をするにはいいと思いますけど・・・」(笑)。
1時間20分のコースだったのですが、結構じっくり案内していただいたので、いつの間にか1時間を超えていました。
腕輪念珠づくりは、最後の20〜30分ほどで駆け足で。。。! 天然石やムクロジ、杉などの組み合わせのキットの中から、ひとつ選んで作ります。カラフルな天然石も綺麗でしたが、せっかくなので、今だけという境内の樹齢500年の杉のビーズと、虎目石の渋いチョイスで。作るのは意外と簡単で、ビーズアクセサリーの要領で楽しかったです。最後のゴムの結び方はちょっと難しくて、2回ほど失敗して結局、案内の方に結んでもらいました😅
お土産(ムクロジの実と、もう一度作れるプラスチックビーズの腕輪念珠キット)もいただいて、かなり満足度の高いアクティビティでした。
何より歴史あるお寺(500年以上あって、250年間一度も焼失していない&民藝の聖地)の院内を巡れたのは、貴重な良い体験になりました。案内の方のお話も面白かったです。
7月末の虫干法会でも、院内の各部屋で説明を受けながら宝物を見ることができるそうで、ぜひまた訪れたくなりました😊
📕色紙和讃や『美の法門』については、「水と匠」さんのサイトの記事の03、04が詳しいです。(虫干法会についても)
ちなみに色紙和讃の文字の「ノ」「ヲ」「テ」などの"はらい"を伸ばす特徴的な書き方は、暗いところでも読みやすくするためだそうです。NHKの民藝の番組の取材では、わざわざ部屋を暗くしてランプを灯して、当時の様子を再現して撮影されたそう。好評で近々また再放送されるそうなので、その番組をご存知の方いましたら、ぜひ教えてください。
朱色のJR城端線に乗って、次は福光へ向かいます。
<②へ続く>