見出し画像

《博物館明治村》*1日散策記

初夏に愛知県犬山市の明治村へお出かけしました。(もう夏も終わろうとしていますが、書くタイミングを逃してしまい・・・)

幼い頃に親に連れられて来たときは「古い建物ばかりで何だかコワい。。。」という感覚に襲われてしまったのですが、30年以上経た大人の感覚で見ると、明治〜大正期の古き良き、そして当時の最高の技術を尽くして造られたものが、こうやって今でも大切に保存・維持されて見ることができるのは素晴らしいと思いました。1丁目から5丁目まであり、テーマパークとしては日本で3番目の広さだそうです。

犬山駅からバスに揺られて20分ほどの、山の中に造られただけあり、周りは自然に囲まれていて、景色がとても綺麗でした。ウグイスの声や村内を走る蒸気機関車の汽笛がずーっと聞こえていて(基地が近いのでたまに自衛隊機の音も)、のどかなゆったりとした時間が流れていました。(↑eyecatchは5丁目のアイコニックな建物『聖ザビエル天主堂』と入鹿池を望んで)


村営バスはレトロバス。
500円で一日乗り放題です。
帝国ホテルの玄関前のオブジェ(?)越しに。

公共交通機関を利用して行ったので、まず1丁目から村営バスに乗り5丁目へゆき、最後に再び1丁目に戻ってくるルートで巡りました。(自動車の方は5丁目側が駐車場・入口になっています)


1丁目の村営バスの停留所前にある、三重県庁舎の廊下。


2丁目・東山梨郡役所

<5丁目:文明開花の街並>

村営バスに揺られて一番奥の5丁目へ。場所柄、マイカーの人が多いためか、1丁目よりもこちらのほうが人多めで、見どころとなる建物も集まっている印象でした。聖ザビエル天主堂帝国ホテル中央玄関菊の世酒造天童眼鏡橋などを巡り、ランチをカフェー風の浪漫亭でいただきました。

聖ザビエル天主堂
明治村といえば、帝国ホテルとこちらのイメージがあります。
ステンドグラスがとても綺麗でした。
「十字架の道行き」という、カトリック教会ではお馴染みのキリストの絵も飾られています。
聖母子像がお気に入りです。
入口にはツバメたちが巣を作っていました。
天童眼鏡橋を中心に。
奥に見えるのは川崎銀行本店、右のレンガ造りの建物は金沢監獄正門、真ん中に見える灯台は「小那沙美島燈台」というそうです。


帝国ホテル中央玄関
前の池にはピンクや黄色の睡蓮が咲いていました。
移築されたのは玄関とロビーだけなのですが、結構広かったです。
こうして見ると光の入り方など、計算して造られているのが分かります。
たまたま喫茶室が休業日で、残念でした。
ロビーは休憩所になっています。
ガラス扉の向こうは何もないので、そのまま進んだら下に落ちます(笑)。
レストラン(?)の再現スポットがありました。

◎ちなみに日本国内にあるフランク・ロイド・ライトの建築については、こちらの記事が詳しいです。


他にもNHKの朝ドラで話題らしい明治の法廷や、金澤監獄の監房も見学。
坂道を登った小高い場所にある菊の世酒造の前から、梅園の方角を見ると、機関車が走っていくのが見えます。運転手さんや乗客の方も手を振ってくれましたよ😊


<4丁目:江戸の残り香>

5丁目は文明開花な洋風建築が多かったですが、4丁目は打って変わって、和の雰囲気。芝居小屋の呉服座(くれはざ)や、床屋さん(石川啄木の暮らした家)、駄菓子屋さんになっている小泉八雲避暑の家(焼津の町家)、銭湯など、江戸の面影が残る下町のイメージです。


明治時代の芝居小屋で、国の指定重要文化財だそうです。
看板に「湯島の白梅」「滝の白糸」を発見。
明治村さんは鏡花推しなのでしょうか?
後方から舞台を眺めて。
建物ガイド(無料)に参加すると、ガイドさんの案内を聞きながら枡席の中や、舞台の上、花道を歩いたり、舞台下(奈落)まで入って見ることができます。舞台の演出のためのいろいろな工夫や仕掛けがあり、面白かったです。
呉服座の隣には石川啄木の家と小泉八雲避暑の家。



時間が限られていたので、ここで村営バスに乗り、3丁目は飛ばして1丁目へ。(↑の正面からのバスの写真は、こちらのバス停で撮影)
暑い日だったので、2丁目のお茶屋さんで抹茶ソフトを食べて休憩したあと、歩いて1丁目の森鴎外・夏目漱石住宅へ向かいました。
「偉人坂」と書かれた看板に従って行ったら、結構急な階段&坂道を登りました・・・そして家の裏庭に出ます。

<1丁目:文豪の家>

森鴎外・夏目漱石、ふたりの文豪が暮らした家は、とても素敵な和風建築でした。『吾輩は猫である』の舞台である苦沙弥(くしゃみ)先生の家は、この家がモデルになっているそうです。

お座敷から庭を望んで。


↑さりげなく吾輩(猫)もいます。
ここにも🐱。
漱石の書斎はフォトスポットになっています。
英語の先生らしく、英語の本の山に、吸い殻がたくさん刺さった灰皿、『吾輩〜』の原稿のレプリカなど。。。流石に反故紙は転がっていませんでしたが。
原作に忠実な、灰色のニャンコでした。
とん子ちゃん・すん子ちゃん・坊ばちゃんですね。
こうして見ると、昔の家の建て方は凄いです。
苦沙弥(くしゃみ先生)の気分で。
お気に入りの1枚です😊


<おまけ:女学生気分>

2丁目のハイカラ衣装館にて、せっかくなので記念撮影してきました。
ご興味ある方は参考までに。。。女学生だけでなく、書生の衣装(女性もOKみたいです)もあります。一緒に行った人とキャッキャと撮り合いっこして、楽しかったです。


定番の矢絣以外にも色々あって、これは何と『虞美人草』の橋口五葉風デザイン。
奥のパネルは村長の阿川佐和子さんです。


<お土産>


小泉八雲避暑の家にある駄菓子屋さんにて、懐かしいのを発見しました。
コーンのやつ、もはやスーパーには売ってないので嬉しかったです。
電気ブランのレーズンサンドはミュージアムショップで買いました。
アルコールの効いた大人味で、クッキーもしっとりして美味しかったです。


<まとめ>

明治村、謎解きイベントの広告をよく見かけていたからか、アミューズメントパーク的なイメージがありましたが、思った以上に民俗歴史の『体験型ミュージアム』で、勉強になり面白かったです。明治〜大正文学好き、レトロ建築好きにはたまらない場所でした。

食べ物も明治のカレーやアイスなど、当時の味を再現したものをいただけたり、(5分ですが)女学生になれたり、体験という点でもかなり楽しめました。レトロなもの、古い建物が好きな方には特におすすめです。名古屋からは少し遠いですが、直通の高速バスも出ているので、ぜひ足を延ばして行ってみてください。

この9月からは人気アニメ(文スト)とのコラボイベントも開催されるそうです。私は文ストは全く見たことがないのですが、企画展では登場する文豪にまつわる品々(夏目漱石のシルクハットや泉鏡花の初版本など)が展示されるそうなので、ぜひまた足を運んでみようと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事が参加している募集