クリムト「接吻」
クリムト展が絶賛開催中なので、いたるところでクリムトの「接吻」の絵を見かける。
この絵には思い出がある。学生時代お付き合いしていた女性がこの絵が好きで、クリスマスに額装したポスターをプレゼントしたことがあったのだ。
ただ結構でかいポスターだったので、デートの最中ずっと持ち歩く羽目になって大変だった。若気の至りだなあ。
そういう話をしたいんじゃなかった。
当時はこの絵を「ロマンティックな、情熱的な絵だな」くらいしか思ってなかったが、改めていま見ると、二人が接吻している場所が崖の上、しかも少しバランスを崩すと落ちるくらいのギリギリの場所なのだ。
その不安定さを感じながら改めて接吻してる二人の姿を見ると、ただ情熱的なだけではなく、儚さや不安、終わりが見えているからこそ求め合う切なさが湧き上がってくる。
神は細部に宿るとはよく言うが、本当に「見る」ことをしないと、絵も、映画も、舞台も、文学も、そして人の気持ちも、その奥にあるものを感じることができないんだな。
普段仕事で「インサイトが大事」とか言ってるくせに、まだまだだな。。
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