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超常刺激を減らす。そして、運動をする。

運動をする目的は、

「ダイエット」「体力UP」「健康維持」

など人それぞれですが、

「気持ちにもたらす影響」

という側面から運動を見ることも、最近は増えました。

というのも、

「運動を習慣化してから、今までより仕事の活力も出る」
「運動をしていないと、生活がだらしなくなる」
「ストレスが溜まっていても、運動したらストレスが減る」

というお客様からの声を日々いただくことと、僕自身も運動を習慣化しているとストレスが明らかに減る実感があるためです。

ウォーキングをしているうちに、気づけばストレスがなくなっていた

という経験をされた方も多いと思います。

世界中で運動とメンタルの関係性が明らかになっている

まずは「運動がいかにメンタルと関係しているか」を紹介した本を3つ紹介します。

ケリー・マクゴニガルさんの「スタンフォードの自分を変える教室」

同じくケリーさんの「ケリー・マクゴニガルの痛みを癒すヨーガ」

最後に、最近発売されたメンタリストdaigoさんの「自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス」


どれも運動指導者にはオススメですが、前者2冊はボリュームがあるため、daigoさんの本が一番読みやすいと思います。

本日もこの本からいくつか内容を抜粋させていただきます。

「超常刺激」で意思が弱る

成功には「セルフコントロール能力(=意思の力)」が不可欠というデータがあります。

セルフコントロール能力が下がると、目標達成できないだけでなく、うつやメンタルの低下につながると言われます。

そのような重要なセルフコントロール能力を保つための手段の一つとして、

「超常刺激を減らすこと」

が重要だと言われています。

現代人の脳は狩猟採集民だったころと大して変わっていないにもかかわらず、急速に文明を発展させてきたことにより、人間の脳が対処できない刺激が多く生まれたと言われます。

それが「超常刺激」です。

超常刺激にさらされすぎているため、脳が必要以上に興奮し、休まるタイミングがなくなり、うちになったりメンタルが落ち込んだりすると考えられます。

著書では減らすべき「代表的な超常刺激」を5つ紹介しています。

①ジャンクフード

「加速する肥満 なぜ太ってはダメなのか(小野木明恵訳 NTT出版)」によると、「太る、不健康になる」ことでメンタルが病むのではなく、超常刺激によって脳やメンタルが壊れ、その結果「太る、不健康になる」と述べています。
塩分、脂肪、糖質など、人間が進化の過程でなかなか摂ることができなかったものを詰め込んだジャンクフードは、超常刺激の代表的食品と言えます。

②インターネット

人間の脳は未知への刺激に敏感なため、大した用ではないメッセージの通知音でさえも無性に気になり、脳が興奮します。このような刺激に24時間触れられる現代は、休む暇もない時代と言えます。

③ポルノ

ポルノにハマっている人の脳はドラッグ中毒者の脳とほとんど同じような状態に変化しているそうです。
このときに過剰に分泌される「ドーパミン」は、快楽ではなく「期待」のホルモンのため、期待は生まれても、その先の喜びにはたどりつくことができません。そのため、永遠にたどりつけない喜びを求めるようになり、中毒になる、というメカニズムです。

④ブルーライト

パソコンやスマホのブルーライトは自然界にはない刺激です。これが超常刺激となり、睡眠の状態を崩します。スマホの使用は日中だけにして、夜はブルーライトを浴びず、睡眠の質を低下させないようにする努力が必要になります。

⑤TV、ゲーム

人工的なテレビやゲームもはまりやすい刺激のため、特に子供には触れさせない方が良いと言えます。

これらの5つのいずれかに依存傾向があると、先ほど述べた「セルフコントロール能力」が低下している状態です。つまり自分の意思が弱っている状態です。

頭ではわかっていても「ハンバーガーとフライドポテトが食べたい」「30分で終わるつもりが3時間もゲームをしてしまった」というのも、セルフコントロール能力が低下していると言えます。

セルフコントロール能力は鍛えられる

ではどのようにセルフコントロール能力が鍛えられるのか?

いちばん簡単に鍛えることができて、見た目も変わり、超常刺激の問題をすべて解決できる、というものすごい解決策があります。

それは「運動」です。

運動をすることでメンタルが強くなり、自尊心が高くなる効果があらゆる研究から明らかになっています。

疲れた時ほど運動をする。すると、疲れがとれる。
運動をしていないと、どんどん覇気がなくなる。

実感としてそのようなことを感じている方がいると思いますが、それらは科学的にも証明されています。

忙しいビジネスマン、子育て中のお母さん達にも運動をオススメしたい理由として、見た目どうこうよりも「セルフコントロール能力」が鍛えられ、メンタルが安定するからです。

特にさきほどの5つの超常刺激には無意識に引っ張られるため、なおさら運動で対策する必要性を感じています。

「どのような運動がいいか」までは記載されていませんが、長時間のきつい運動よりも短時間の簡単な運動が良いと言われています。

また、室内よりも自然を感じられる場所だとさらに良いとされているので、
公園を散歩したり、自然の中をサイクリングしたり、といった類の運動がいいかと思います。

悩みを解決する「3つの視点」

また運動とは関係ないのですが、

先ほどのような超常刺激に触れてセルフコントロール能力が落ちている時は、

①他人視点で考えること
②長期的視点で見ること
③最悪の状態を想定すること

という対処が良いと言われています。

①の「他人視点で考える」ですが、自分の問題は大袈裟にとらえる習性が人間にはあるそうで、なにか悩みがある時も、

「自分の友達や家族が同じ悩みをかかえていたら、どのようにアドバイスするか?」

と考える、という対処方法です。

例えば友人が、毎日残業で、休みもなく、職場の人間関係も悪い会社に所属していて、そこから転職しようかどうか悩んでいたら、

「早く転職しなよ」

と多くの人がアドバイスすると思いますが、いざ自分が同じ境遇に立つと、そのような視点では考えられず、不安も増大し、不満を抱えながらも結局そのまま会社に残る選択をしてしまう。

自分のことになると、正しい判断ができなくなると言えます。

そういうことがわかれば、自分が問題を抱えた時も、友人にアドバイスするような客観的な視点で、自分自身にアドバイスをすれば悩みも解決しやすいといえます。

次に「②長期的視点で見る」という対処ですが、人間は長期的欲求よりも短期的欲求を優先する傾向があるそうです。

明日もらえる10万円と来月もらえる15万円なら、明日もらえる10万円を優先する傾向があるそうです。

そういうことが分かれば、目の前の欲求に負けそうな時も、

「3年後、5年後、10年後に納得する選択はどちらか?」

と長期的な視点で考えると、セルフコントロール能力が上がりやすいそうです。

最後の③「最悪を考える」という対処ですが、

人は達成したい目標を考える時に、達成したときの「最高な状態」だけ考えるよりも、達成できなかった時の「最悪な状態」を考えた方が、目標の達成率も上がると言われています。

最高な状態をイメージすると脳も興奮状態になり、やる気も上がるが、そこで満足して行動に移さないで終わることが多いそうです。

それよりも最悪な状態を考えた方が、リスク管理など「やるべきこと」がさらに具体的になり、行動に移しやすいと言われてます。

「良いイメージだけした準備」よりも「失敗も想定した準備」の方がベターだと言えます。


これは僕らトレーナーがトレーニング計画(=ピリオダイゼーション)を立てる時にも通ずる話です。

計画通りいけばベストですが、お客様が急に体調を崩されたり、急用が入ったり、予約を忘れていたり、で計画通りトレーニングが進まないというケースが現場では当然起きます。

僕らトレーナーが体調を壊してしまう可能性もゼロではありません。

これらを考慮した計画をはじめから作成しておけば、トラブルが起きても、バタバタしたり動揺することもなくなりますが、

すべて計画通りいくという前提でプログラムをつくると、少しでも予定が崩れると、イライラ、不安、焦りが消えません。

もちろん失敗するつもりではなく成功を願って物事に取り組むことがベストですが、「失敗も想定した準備」をすることで、気持ちの余裕が生まれます。


運動がもたらすメンタルへの好影響の話から、セルフコントロール能力を上げる3つの考え方まで幅広く紹介させてもらいましたが、

できることから一つずつ生活に取り込むだけで、少しずつ活力が取り戻せるきっかけになると思います。


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