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2023年9月の記事一覧
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜4
**第5話**
リムジンに乗りこむと、見た目通り広くて快適なシートが口の字のようにあって、目の前にはテーブルが設置されていた。
歌絵の目の前に、紅茶が置かれる。
「コーヒーの方が良かったかい?」
「私が紅茶を好きなこと知ってていってますよねー」
どこまで把握したうえでの行動なのか、気になる。
だけど、この人はどんなことでも納得してしまいそうな不思議な雰囲気がある。
歌絵は紅茶
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜3
**第4話**
大好きだったママの瞳を2度と見ることができなくなったのは、私が10歳のとき、今のように夏の残暑が続く秋の入り口の季節だった。
いつものように、学校にママが迎えに来てくれて2人で歩いて帰った。
クラスメイトに馬鹿にされても、全く気にならなかった。だって、彼らに興味なんてなかったし、ママがいればそれで良かった。
その日は、2人で歩いている途中の公園に猫がいるのを見かけた。
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜2
第2話
****
いつだったか、お母さんに言われたことがあった。
『歌絵の描く絵は、どれも夢があって大好きよ』
それが始まりだった気がする。
空を飛ぶイルカ。
ワニと遊ぶ犬。
輪になって、動物と人間が笑顔で踊る。
世界中に降り注ぐ流れ星を拾う私。
沢山、沢山、絵を描いてお母さんにあげた。
もっともっと喜んでもらいたい。
あの頃の世界は、眩しく七色の光に満ちてた。
友
「World is Myself」 Side Story 〜歌絵&淳〜1
2040年9月。
雲ひとつない空から日差しが照り付ける夏の日。
青々とした空の下、椎山歌絵は1人、スケッチを楽しんでいた。歌絵の目の前にはキリンが歩いており、その姿を見ながら軽快に描いていく。
歌絵が顔をあげるたびに、赤い髪飾りが付いた左右の黒髪のツインテールが揺れて跳ねた。紺のブレザーにピンク色のリボンの制服を着た中学2年生の歌絵は、幼さを残しながらも、凛々しい顔立ちをしている。