Daily Dose of GTO 翻訳・解説・検証など #31~#35

GTO Wizard Partnerの活動の一環として、不定期にWizardの英語のリソースの翻訳などをnoteにしようと思います。

執筆にあたり私の知識やコンテクストの理解を基にした翻訳を行いますが、あくまで私自身の考えを直接表現したものではありません。

英語のまま使うほうが自然な語については敢えてそのままにしています。

一部加筆や内容を改めた箇所がありますが、原文は画像の通りです。


Daily Dose of GTOは2021年の終わりごろからInstagramやTwitter (現X)でGTO Wizardが発信していた(現在は終了)、大半がクイズやコラム形式のコンテンツです。(プロモーションを兼ねていたため?)内容はかなり易しく、初級者は一度目を通しても損はないかなと思います。#1~#30は本当に基本的な用語の確認などがメインなので、#31から扱います。

()内や注釈などは翻訳者(、つまり私)によるものです。


#31 ハンド当てパズル

ボードはKsQhJhTc、相手のホールカードはQdQcであなたは11アウツあるという。あなたのホールカードは何か?(翻訳者注:ここではチョップはアウツに数えない。)

解答・解説

KhTh。Kが2アウツとハートが9アウツ。

翻訳者付記:特段大した問題ではないのだが、Q setに負けているのでJ set以下で、11アウツとかなりの数であるからFDとhitが絡むだろうと気付けば正答に至る。1-card straightボードではSDは上側のGSSDしか存在しないことは記憶に値する。

#32 どのsetが最もEVが高いか?

(solutionの設定(上の画像だと[NL500 6-Max Cash, 100bb]の部分)は画像の通りなので以降記さない。)

COがオープンし、BBがコールして、フロップはAhJs2c。(COの)どのsetが最もEVが高いか?また、その理由はなぜか?

解答・解説

EV

JJ。JJが最もEVが高く、続いて22、AA。

CO overbet後のBB

AAはトップペアをブロックし、それゆえバリューを取りにくい。
このため、AAは代わりによく*trapしたり小さくベットしたりする。
*trap 強いハンドをチェックやコールなどのパッシブなアクションにとどめる

BBのカード除去効果を考慮したoverbetに対するアクション頻度

22とJJはBBのコールレンジに対して似たブロッカー効果を持つが、22はBBの唯一のsetを含む*自然なレイズレンジを多くブロックする。
*人間があまり疑問を抱かず受け入れられるものをnaturalと形容する。

JJが最もバリューを引き出せる可能性が高い。

翻訳者付記:単にJJが22に勝っていることも大きい。実際、BBのレンジから22を無くして計算すると、JJと22のEVはかなり近くなる。参考として、Wizard AIによる計算結果を載せる。

EV

左が22を無くした場合、右が元のBBのPF callレンジの場合のEVである。

ただし、22の消滅に伴ってBBのbluff raiseレンジも変化することは留意すべきである。

#33 EQの過剰実現

COが2.3bbにオープンし、BTNがコールして、フロップは9h8d7d。以下のうち最もEQRが高いCOのハンドははどれか?
Ad6d, Ad9s, KsKh, 8s7s

解答・解説

EQR

Ad6d。

後のストリートをプレイできるハンドはよりEQを実現する傾向がある

EQRという指標は、EQに比してどれほどうまくハンドが機能するかを測る。

Ad6dはほぼ常にリバーまで残り、さらにnuts flushとstraightのドローの追加のインプライドオッズのために、「本来の取り分」(翻訳者注:ここではEQ通りの利得の意。)より多くのEVを得る。

#34 ポットオッズとMDFが等しいベットサイズ

MDFとポットオッズが一致する(比ポット)ベットサイズが一つ存在する。それを求めよ。

解答・解説

赤線がMDF、黒線がポットオッズ

(1+√5)/2。この値は黄金比として知られ、およそ162%である。このときMDFとポットオッズは約38%になる。

黄金比はとても予想外なところで出現することで知られた定数である。

s = bet/potとすると、
MDF = 1/(s+1)
pot odds = s/(2s+1)
これらが等しくなるとき、sが黄金比に等しいことが従う。

翻訳者付記:ただの計算問題で、MDFとポットオッズの導出および最後の計算は中学数学レベルである。

#35 *suitednessとアグレッション

*suitedness rainbow, two tone, monotoneなどのスートによるボードテクスチャの分類

以下のうちBTN vs BB SRPで最も多くベットするべきフロップ(のテクスチャ)はどれか?
rainbow, *flush draw, monotone
*flush draw possibleの略。フロップではtwo toneボードと同義。

解答・解説

rainbowボード。SRPではrainbowのフロップで最も高頻度でベットすべきである。(翻訳者注:BBのdonkはこの限りではない。)

一般的に言って、ドローはレンジアドバンテージを解消する効果がある。
rainbowボードではBBはEQを実現するのがより困難になるため、より高頻度でベットされる傾向がある。

ドローの多いボードではバリューハンドのEQはより不確かになるので、まさしく中間的な強さのハンドと化すハンドでポットを大きくすることになる場合がある。(翻訳者注:要するに、バリューベットしたハンドが、ターンやリバーでドローが完成するカードが落ちると微妙な強さで大きいポットを争うことになり都合が悪いということ。)

flush drawのフロップは(rainbowと比べて)より低頻度でより大きいサイズを使ってベットし、一方でmonotoneのフロップは最も低頻度でとても小さいサイズを使ってベットする。


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