【初恋、ざらり】感想※ネタバレ有り

すごく良かったです。
最初から最後までこの空気感のドラマ、推せました。

漫画原作のこのドラマ。内容はこんな感じ。

主人公の上戸有紗は軽度知的障害と自閉症のある女性。身の回りのことをうまくこなせない、立体的に物を見ることができず体をぶつけてしまう、暗黙の了解が分からないなどのハンディを抱えている。障害を隠して働くが、人間関係が上手くいかず、仕事でのミスも多いためすぐクビになってしまう日々。そんな自分に強い劣等感を抱える有紗。知り合った男性たちから体の関係を求められるたびに応じることで、なんとか自分の価値を確かめようとしていた。“普通”に憧れ、“普通”になれない苦しさに自分自身の価値を見失いかけていた有紗だったが、新しいアルバイト先の先輩である岡村龍二との出会いをきっかけに、恋に落ち、彼の優しさに触れることで少しずつ心境が変化していきます。一方で岡村自身も有紗との出会いをきっかけに、軽度知的障害である恋人を受け入れていく中で生じる葛藤や、むしろ“普通であること”を求められ、それに応じてきた自身の劣等感に向き合っていくことになります。

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ざっくり言うと軽度知的障害のある女の子と、その上司の恋愛を描いたもの。

上戸有紗役を演じた小野花梨さんの演技が素晴らしかったです。
苦手なことに一生懸命向き合おうとする姿は応援したくなる何かがありました。

そして岡村龍二役の風間俊介さん。
こういう温かく包み込んでくれるような役柄がぴったりだなと思いました。
良い意味で"日常にいそう"な優しい人間を演じることができるのが素敵です。

知的障害のある人と関わった経験がある私には、有紗ちゃんの心の叫びも周りの人達の反応も、岡村さんの葛藤も他人事に思えませんでした。
少しでも色んな人が見てくれたら良いなあと思うようなリアリティのあるドラマでした。

有紗ちゃんを通して思うこと

ふざけているわけでもサボっているわけでもない。でも仕事が全然できない。家事もできない。
もし、自分の周りにそういう人が働いていたら…私もあの職場の人達のように愚痴とか言ってしまうかもしれないと思いました。

難しいですよね。
でも、有紗ちゃんもやりたくてそういう風にしているわけではない。
本人はいたって真面目で一生懸命で。
普通に憧れている。

有紗ちゃんは普通ではないのかもしれない。
でも普通ってなんですかね。
普通な人っているんでしょうか。
職場では、有紗ちゃんの言う"普通の人"だけが集まっていても愚痴は生まれるし、トラブルは起きます。

全員に必要なのは相手への理解だと思うんです。
自分の基準でつい決めてしまうことを、相手に少しでも寄り添えれば変わるかもしれない。
岡村さんはそれが自然とできるような人だったなと思います。

誰にでも苦手なことはあるということを社会全体で寛容になって助け合えればいいのになあと思います。
なかなか難しいですけどね…

優しさについて

2人が一度別れたのは、優しさのすれ違いがあったからだと思っています。

知的障害があるからといってただ優しくして何でもしてあげればいいってわけじゃないんだなと思いました。
その優しさで有紗ちゃんが苦しむ姿を見て、良かれと思ってやっていることでも正しいとは限らないなあと思いました。

時には叱られたり、失敗してみたり、それを見守るのも優しさなのかなと思います。
もちろんできないことを無理にやらせるのは違うと思いますが。

最初はちょっとダメな母親に見えた有紗の母親も(失礼)そこらへんの優しさがよく分かってる人だなと思いました。
有紗ちゃんのことを誰よりも想う気持ちは本物でしたね。

いろんな人に見てもらいたいなと思うドラマでした。
今期一番のピュアな気持ちをくれた気がします。

最後まで読んでくださりありがとうございました！