見出し画像

誰のためにやってんだよ!の言葉

20年前にアルバイト中に掛けられたこの言葉は自分の人生を大きく変えてくれた。
この人のこの言葉のおかげで、企業から有難い仕事をもらえている。

希望をもって地方から東京に出てアルバイトに励む中で、ある程度のことは並にできる自分を、出来ない人と比べて優秀だと勘違いしていた。
ある日、ケガで休職していた先輩が復帰した。事前に飲み会ですごく気さくなその先輩とは意気投合してたので、楽しい時間が送れると思っていた。

1時間後、その先輩から「おまえは誰のためにやってんだよ!」と怒鳴られた。
衝撃だった。あんなに気さくな人なのに。
そこはレストランで、私はドリンク類をメインに担当していた。
ビールは1杯ずつ丁寧に教わったように、コーヒーは持ち手の向きを一つずつ丁寧に揃えて、ウェイターを待たせた。
教わったように丁寧に準備することが何が悪いのか、動揺を隠せなかった。

そんな日々が少し続き、徐々に先輩と距離を置き無断欠勤をした。
今考えれば最悪な行為だ。

私は地元でアルバイトを始めた時から、人に恵まれ続けている。
ブラックで有名だったファミレスのアルバイトでも、繁忙時間は鬼のような店長とも休憩時間は談笑していた。
今回もそうだった。
同期の仲間が「このままじゃだめだ」と休みの日に呼び出してくれて、仲介役になってくれた。

私は「教わったことしかしていない」「丁寧にやっている」のに、なぜ起こられるのか勇気を出して聞いた。
その先輩の答えはこうだった。

「あの現場のお客様が求めているものは早さだ。丁寧すぎても評価に値しない時がある。100%の美しさを80%にして20%を早さにしたら、求めている速さを超えられるね。しかし、君は自分の求めている物を作っているだろ?」
このような内容を納得いくまで丁寧に説明してくれた。
実行した。確かにそうだった。

お客様の声は「早っ!」「ありがとう」だった。

答えは現場にある。
この言葉に変換されて、その後は製造業や通信業などで未熟ながら役に立つことができた。
本当に本気で叱ってくれて人生が救われた。
あのままなら今頃どんな風になっていたかは想像する必要はないと思う。


ミーティング


よく3現主義や5ゲン主義と耳にします。
混乱したり迷ったらぜひ現場に行き、お客様の声を素直に聞くことをお勧めします。
欲しい物はお客様しか持っていません。





#大切にしている教え

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?