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特殊装丁 新刊短編集 ─ 文学フリマ東京39

文学フリマ39に出店します!

📍ブース:く-48
💎webカタログ

🗓12/1(日) 12:00〜開催
🏢東京ビッグサイト西3・4ホール
📕イベント詳細→ https://bunfree.net/event/tokyo39


※倫理観はログアウト中。なんでも許せる方のみご購入ください。
※心の健康のため、一気読み非推奨。
全20篇のうち、R18は4篇、R18Gは2篇。エロもグロもその他も、いろいろ楽しめます。
男性も楽しめますが、エロは女性向け文体。ただしエロもちゃんと最低


こんな方におすすめ 🔞

・悪役だけを摂取したい
・人外×少女が好き。(作者はHLが主食)
・悪役と恋愛(恋愛…?)できる本を求めていた
・悪役が人をたぶらかす話が読みたい
・悪役に惑わされ、酷い目に遭わされる話が読みたい
・悪役の拷問、食人、えっち、殺人などが読みたい
・これまで冷血公爵詐欺、ドS詐欺に遭ってきた
・人外キャラクターが好き
・愛や性欲のない悪役が好き
・悪役の日常、心の声、善行が読みたい

悪役の、
悪役好きによる、
悪役好きのための本!!


透明ブックカバー仕様
ラムズパラメーター
本文デザイン
箔押ししおり
お洒落試し読み4Pリーフレット付


注意

・ひとりの悪役人外にたぶらかされた人々ばかり出てきますので、8割型の主人公がその悪役を好いています。(恋愛的もしくは友情的?など)

・どちらかというと女性向けかもしれませんが、女性向けとは思えないほど悪役はクズで最低。

・拷問やエロ等は、男性向けレベルに過激だと思う可能性があります。

・いろんな男女をたらしこんでおり、ヒロインポジの女キャラは多数登場。(つまりほぼ浮気)

・この悪役人外「ラムズ・シャーク」の長編ファンタジー小説なども頒布していますが、他作品を読まずとも、短編集から楽しめます。むしろ短編集で気に入ってくださったら嬉しいです。

悪魔らしい悪魔×天使らしい天使の溺愛執着短編のみ、一応一途で愛らしきものを持っています。悪魔→天使の一方通行執着歪愛。
参考:『悪魔のキスは愛が死んでいる』



試し読み

以下は別書籍『ワールドブック』のみに掲載。
登場している悪役キャラ・ラムズは同じなので、雰囲気を感じとっていただけたらと思います。


「おねがい、おねがい。これでもうすべて。わたしのすべてを使った。もう集められない。もう何も持ってない。空っぽなの、おねがい……ねぇ」

 ラムズは床で跪く女を冷たく見下ろした。掌をそっと天井に向け、人差し指にボゥと青炎を灯す。指の腹が煙草の先に口づけをして、空中がコバルトに滲んだ。女は焦がれるように煙を目で追っている。

「足りねえって。金額は伝えてあっただろ」
「だけど……。もう彼を裏切れない。屋敷の方もよくしてくれていて……」
「じゃあ、やめたらいい」

 ラムズは一向に彼女を見ないまま、そばにあった椅子へ腰掛けた。青く染みた煙が部屋を上っていく。

「す、少しでいいから……。今吸ってる、それ。おねがい……。ちょっと、吸わせて」
「またやめらんなくなるよ」
「でもそんな、さ」

 ──目の前で吸われたら、煙が喉を刺激したら、薬への欲求が抑えられなくなる。女の指先が小刻みに震える。ラムズの座る椅子まで体を引きずった。

「次は、次はもう少しいいものを持ってくるから。情報もお金も、宝飾品も……。おねがい。もう怪しまれてるの。だからこれ以上したら、私が追いだされちゃう……」

 女はわっと顔を覆って泣きはじめた。自分でも何を言っているのかわからなくなる。頭痛に悩まされているのも、情緒がぼろぼろなのも、きっとこの涙も、すべては『フシューリアの生き血』のせいだった。

「ローガンが。ローガンはわたしのことまだ好きだって。愛してくれるって、結婚してくれるって言ってくれたの。だから、だから幸せになりたいの。おねがい……。幸せになれる薬でしょ? ラムズは優しかったじゃん」
「お前、あの男と結婚すんの?」

 軽く笑うと、煙草の先を指で叩いた。彼女の髪にふんわりと蒼い粉が飾られていく。

「……え。だって」

 視線が激しく左右に揺れる。喉がいやに苦しい。何かに気道を塞き止められているような気がする。

「どうするつもりだったの、俺に体を許したってバレたら」

 ラムズは喉の奥から湿った嬌笑を流し、はあ、と長い息を宙に這わせる。女の視界に白濁の薄膜がかかった。

「ちが。あれは。だからあれは薬が……。薬のせいで、その。だから、あれは違くて」

 彼女は視線を落とし、埃の被った床を何度も摩る。心臓のばくばくが自分を責付いている。これも薬のせい。あれも薬のせい。そうだ、あの行為も薬のせいだった。気の迷い……いや、でも。自分の意思だった気もする。
 あの日は──いや、あの日だけじゃない。彼はいつも魅力的なのだ。『フシューリアの生き血』よりなにより、彼自身がいちばん麻薬みたいだ。

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