おばあちゃんちに住みたい2
祖父母の家はとても物が多い。
祖父は生前入院しており、祖母は老人ホームにいて、ある冬、母は水落しをし忘れたのか、詳しい事情は知らないが、空き家の祖父母の家の水道管が破裂した。
当時、それに気づいた頃にはトイレを中心として相当な水浸しになっていたらしい。
火災保険は満額でおりたと聞いた。
しかし、住民が不在なこともあり、私の両親の判断としては、応急処置(水分を拭き取る)だけをし、何の工事もしないと決めたようだ。
今思えばこれがそもそも間違いである。
私は私で普段その家に行くことはないし、仕事もしていたため、当時その家に様子を見には行っていない。
そのまま数年が過ぎた。
せめて床や壁の張り替えをしていれば、水分は完璧に除去できたかもしれない。
そうすれば、自宅全体が傷むことなく、カビで充満することもなかっただろう。
祖父は亡くなり、祖母は相変わらず老人ホーム生活。
数年かけて更に家は傷んでいったと思う。
家財遺品整理というものはただでさえ大変なのに、家全体がカビくさくなっているせいで、30分も滞在できないレベルだ。こんなことでは、一生終わらない。
大量の荷物が9割そのままになっている家。
母が住む予定はない。
おじいちゃんが大切にしてきた庭は草木が伸び無法地帯。
退職金で建てた大切な一軒家。
どう考えても勿体ない。
どうなるにせよ放置は良くない。
うちの母は何を考えているんだろう。
きっと目先のことに追われ後回しにしている。(専業主婦)
私の夫は将来的には一軒家を建てたいと言っていた。
私が妊娠する前、ある時、夫とお義父さんと食事に行く機会があり、雑談をしているなかで、祖父母の家の話をした。
するとお義父さんは、「もし、そこにお前たちが住まわせてもらって、おばあちゃんも住めたらいいんじゃないか?」と言った。
全然考えたことはなかったが、もし、母や祖母が賛成するなら、これはすごく素敵なことだなと思った。
夫も私の祖母と会ったことがあり、また、私が今まで祖母に沢山お世話になっていることを伝えてあったため、「妻の祖母と同居」ということに抵抗感を持つ価値観はなかった。
お母さんとおばあちゃんに提案してみるかぁ。と私はイメージを膨らませてみた。