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立夏の養生

ずいぶん久しぶりの投稿となりました。本来ならば冬と春の養生のお話を投稿する予定でしたが、それはまたの機会にしたいと思います。

さて、今日は5月5日、こどもの日。
7:45に牡牛座で新月を迎え、旧暦いうところの卯月がスタートしました。
そして明日6日は4:03に立夏を迎えます。暦の上では夏のスタートです。
古代中国では天災がなどがよく発生しあまりよくない月と言われ、ヨモギで人形を作り門にかけ、香りの高い菖蒲を浸した酒を飲んで穢れや災厄を祓う行事が行なわれていました。邪気を祓うこれらの習慣は奈良時代になって日本に伝えられたと言われています。
鎌倉時代になり、菖蒲の葉が刀と形が似ていること、菖蒲が尚武(しょうぶ)に通じているという縁起から『祓え』の行事は武を重んじる行事となり、男子の成長を祈願する行事へと変化していったようです。

この時期、陰陽五行説では”火”に属し季節の特徴は”暑”で、これから陽気が最も盛んになります。
五臓の中では”心”の機能が活発となります。
中医学では”心”は神であり精神面と非常に関係が深い臓器と考えられています。
そのためこの時期の陽気の上昇とともに自律神経をコントロールできなくなり、イライラやのぼせ・頭痛・不眠などの症状が出やすくなります。
汗をかきやすくなるため、体の水分が減り水分とともに”気(エネルギー)”も同時に失われるため疲れやすくなります。
冷たいものを摂取することが多くなることで胃腸の調子も崩しやすくなります。

よって精神的に安定させるような働き、陽気を体外へ発散させるような働き、体を冷やす働き、水分を補う働き、胃腸の働きを整える働きの食材を摂取する必要があります。
イメージとしては、旬の食材です。

ごぼう、茄子、人参、そら豆、枝豆、インゲン豆、紫蘇、きゅうり、オクラ、トウモロコシ、トマト、ピーマン、苦瓜、レタス、梅、桃、びわ、さくらんぼ、夏みかん、イチゴ、鱧(はも)、鮎、あなご、あさり、山芋など。

お茶として摂取することもおすすめです。
お茶ですと手軽に、そして色や香りも楽しむことができます。
たとえば玫瑰花(まいまいか)。はまなすのつぼみを乾燥させたものですが、優雅な香りと鮮やかなピンクが特徴でリラックス効果が高いものです。
なんと言っても皇后雅子さまのお印でもあります。
紅茶とブレンドしてお飲みいただくと精神安定効果が増しますし、飲みやすくなります。

また緑茶。この時期新茶が出回る時期ですね。
緑茶はリラックス効果があり、また免疫力向上作用・抗酸化・抗高血圧・抗血糖作用も持ち合わせていますので、おすすめです。

ジャスミンティーも同じくリラックス効果があります。とくに女性の生理時のイライラや痛みにも効果があります。

食材ですので、薬と違い即効性を感じることはないですが、お茶ですと1日を通してこまめに摂取できるので、気分転換に楽しみながら召し上がっていただけるのではないかと思います。

忙しい日々の中でも、わずかな時間でもご自身がリラックスできる時間を作ることが健康に過ごすなにより大切なことだと思いますので、ぜひお試しください。

出典:薬膳食典食物性味表(日本中医食養学会)、二十四節気を楽しむ薬膳(薬膳健康づくり研究会)、薬膳・漢方の食材便利帖(幸井俊高監修)

#薬膳 #中医学#薬剤師#食養生#季節の食養生#陰陽五行説

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