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くどめましての匙作り編。

みなさま、くどめまして。

僕は山口県熊毛郡田布施町大波野という田舎で、木と漆のギャラリーをOPENしている、間 心千代(はざま ここちよ)と申します。


去年から2月のグループ展に向けて、スプーンと箸置きを作ってきたのですが、だいぶ数がそろってきたのと大きいものが作りたい病がそわそわし始めてきました。

なんせ、こんなに小さいものばかりを作るのも久しぶりだし、箸置きなんて指のすぐ側で彫刻刀を使っているから結構ヒヤヒヤものなのです。

緊張しながら作品をギュッ!とつかんでますから手が熱を持って、夜寝ていると手からドクンドクンと脈を感じられるほどです。

細か~い制作をする職人さんや作家さんは本当に凄いなぁ・・・って思います。

まぁ、僕はやらないですけどねー・・・餅は餅屋とゆーことで、僕は僕らしいものを作ってます。


漆を塗る技法って、大きく分けると二つになると思うんですよね。

一つは、漆を塗って拭いてを繰り返す拭き漆(すり漆とも言います)という技法で、漆の厚みが無い分、木目が引き立てられてナチュラルな感じに仕上がります。

何回も拭き漆を繰り返すことによって、だんだん艶が出てくるというワクワク感があります。

ただ・・・残念なことに塗膜という厚みが無いので、摩耗に弱いんですねー・・・だから、どちらかというと観賞用かなぁ?・・・僕はそんな風に思ってます。


もう一つは刷毛を使って漆を塗る技法。

漆塗りって、何度も塗りを繰り返すイメージかな・・・って僕は思っていたんですけど、修業をしていて驚いたのは塗りは2割程度だということ。

じゃあ残りの8割は?

・・・砥ぎという作業なのです!

漆を塗って、乾いたら耐水ペーパーとか炭⁈(漆の塗膜を砥ぐ専用の炭があるのです)を使って砥いで、塗膜に付いたゴミを取ったり、表面を滑らかにして、次の塗りがキレイに仕上がるようにすることなのですが、これがまた面倒くさい・・・。

平らな面ならまだしも、曲面を研ぐときはその形に合った道具を作らなければならないし、手が真っ黒になることもあるから、買い物に行って支払いをする時なんかはちょっと恥ずかしい。

すり漆と違って、塗膜に厚みがあるので実用に向いてるし、そこから発展して漆で絵を描いたり、金銀を使った蒔絵(まきえ)で華麗な世界を作り出すこともできます。

ただ・・・残念なことに塗膜で覆われてしまうので木のぬくもり感や、木目の美しさが消えちゃうんですよねー・・・。


どちらも一長一短・・・僕は作品によって使い分けてます。


・・・んで、なんでいきなり塗りの話?・・・ってことなんですけど、グループ展ように今まで作ってきた作品って全部拭き漆のものなんですよねー⁈

グループ展では漆工芸の作家とゆーことになっているので、刷毛を使って漆を塗った作品も作らなきゃ・・・とちょっぴり焦っているからなのです。


まぁ、どちらにしてもカタチは作るんですけどねー。

ヒノキの棒。

取りいだしますはドラクエじゃないですけどヒノキの棒。

ノミと木づちでコンコン、彫刻刀で彫り彫り・・・はい、完成!

ついでに箸置きも~。

ヒノキはいい香りがするので、気持ちよ~くものづくりができます。

カタチはシンプルですが、僕のことですから後で漆絵まみれになる予感がします。

随時投稿しますので、お楽しみあれ~。


ささ・・・彫り上がったら塗らなきゃね・・・ということでいつものごとく燃料用アルコールで脱脂して、下地漆を灯油で希釈して、ぬりぬり&ふきふきの木地固め。

木地固め~。

ここまでは、どちらの技法も一緒です。


今日はこんな感じかなぁ・・・。


さ~て、晩酌タイムにしますかな。

ステキな夜になりますようにー。


あたたかくなあれ 幸せになあれ


き・うるし ぎゃらりー ここちよ
山口県熊毛郡田布施町大波野748番地4
0820-25-1870
営業時間11:00~17:00
定休日 火・水曜日

いらっしゃいませ~。



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