京都ひとり旅
先日、十数年ぶりに一人で京都に行った。
京都は6年間住んでいた。
大学の4年間、社会人になって2年間。
その後、結婚して出産、育児・・・と慌ただしく現在に至るのだが、
懐かしくなって行きたくなった。
家族で大阪へお出かけをした6月のある日、そのまま一人で電車に乗って京都へ向かった。
家族には、わがままさせてもらった。
懐かしの阪急電車。
木目調の内装、緑色(ゴールデンオリーブ)の座席シート。
レトロかつ上品な雰囲気が好きだった。
学生時代も、よく阪急電車に乗って大阪に遊びに行っていたなぁ。
四条河原町に到着。
十数年ぶりに京都の地を踏みしめる。
そこで、はっとした。
・・・東西南北が分からない!!!
あれだけ、あれだけ過ごした京都。
自転車を乗り回し小道に精通し、バスの系統も頭の中にあったのに。
駅前は更に立派になり、景色が変わっていた。
ウロウロと周辺を周り、ようやく東らしき方角へ歩いてみることにした。
京都の川床を目指して。
京都では夏の時期に鴨川納涼床といって
鴨川周辺のお店が店外席を出している。
鴨川の音を聴きながら風に吹かれ料理に舌鼓を打つ・・・という
おしゃれで風流な時間を味わえるのだ。
一度一人で行ってみたかったのだ。
先斗町を歩く。
一人でも入れそうなお店はどこかしら・・・
と見つけたのがこちらのお店。
時間は19時。
すでにお店は賑わっている。
川床もいっぱいであった。
それでも、店内で順番を待つことにした。
お店の中は100種類以上のお酒が並び、お酒の図書館みたいだった。
バーテンダーさんが程よい距離感で居心地が良い。
カウンターに座り、ビールとおつまみを注文する。
さすが観光地で、外国人も訪れる。隣に座った外国人へ、バーテンダーさんは流暢に英語で会話していた。
「さすが京都、お店の人も英語普通に話すんやな・・・」
そんなことを思いながら隣を見ると、外国の方とちょうど目が合い、笑顔で会釈。
『日本へようこそ!』の気持ちを込めて。
Welcome to Japan!
ああ、こういうときにスッと言えれば。
ビール一杯飲み、おつまみをチビチビ食べているときに順番が回ってきて、川床へ。
すっかり夜。
川の流れる音だけが聴こえる。
2杯目のカクテルを飲み、学生時代を振り返る。
あの頃、もがいていたんだよなぁ。
福祉業界に進むことは決めて進学したけど、都会には人が多すぎて、いろんな人がいて、自分の進む方向が見えなくなりそうだった。
同じ日本なのに、都会で高校時代を経てきた人は情報も新しいし、論文の書き方や討論にも慣れていて、ベースが違うように感じた。
本を読んだり、大学の枠を超えて学生NPOに参加したり、色々やってみたけど、すごい人に出会うばかりで一向に自分の成長を感じられなかった。
田舎ののんびり感ではやっていけない。
今思えば、周りに追いつくことばかり考えて自分を深掘りできなかった。何をしたいのか。
周りの人の良いところを取り入れることもせず、ただ一生懸命にもがいていた。
「がむしゃらだったね。苦しかった。でも、あれから十数年、私は幸せに生きてるよ」
あの頃のわたしを思い浮かべながら、そんなことを思う。
さて!
いい具合にほろ酔い、宿泊先へ。
四条河原町から烏丸五条まで、歩く歩く歩く。
京都の風情ある景色、お洒落なカクテルやおつまみも良かったけど、やっぱり庶民はコレが落ち着く。
コンビニで調達して、カプセルホテルの共同キッチンで一人飲み。至福の時間。
カプセルホテルも周囲は外国の方ばかり。
観光に来ている外国人の方が元気なように感じる。
夜中に外国語で寝言が聞こえ、「ここは…日本か…?」と寝ぼけながら再び眠りについた。
翌朝は、カフェにて朝食。
行きたかったお店を見つけられず、王道のスタバに落ち着いたのであった。
短い時間だったが、懐かしの京都に来ることができた。今年やりたいことの一つが達成された。
年始に作成したウイッシュリスト100に、達成の印を入れた。
この日は朝から再び大阪へ向かう。
大阪の出来事はまた別の記事で。
読んで下さりありがとうございます!