番外補 #2 便秘を自分で診る 第二弾。
ある日のこと、うら若い美しい女性が、お腹の激痛で救急車で運ばれてきました。もしや子宮外妊娠かと若い医師は身構えています。そこへ10人近い同僚の男性がゾロゾロと付き添ってこられ、我先に「大丈夫でしょうか。」と彼女の身を案じて駆け寄って来られました。患者さんに小声で診断を伝えますと、小声で「皆さんには病名は言わないで下さい。」とおっしゃいました。「勿論です。」と私は頷きました。
こんな激しい痛み以外に、便秘がひどくなると、初めは食欲不振、胃もたれや吐き気があり、ひどくなると吐いてしまいます。ご高齢の方では、食欲低下だけが唯一の症状であることもあります。普通は食事が終わって時間が経つと、胃は空になります。大腸が便で一杯に膨らむと、下から大腸が胃を押します。
胃液が流れなくなり、胃がパンパンになっています。立位でレントゲンを撮れば、胃液の水面が一目瞭然です(Instagramをご覧ください)。みぞおちを軽く押さえると軽い痛みを訴えられますが、胃潰瘍みたいに硬かったり、筋性防御(押すと筋肉がとっさに収縮し硬くなる現象)はほとんどありません。
仰向けになってもらうと、お腹はいつもより張って膨らんでいます。便が溜まった大腸は、上から見ると『の』の字か、クエスチョンマークの形をしています。右下腹から始まり、右上から左上に水平に横断し、おへその左を下に走行し、左下腹に終わります。この左下腹、右下腹をぐいっと押すと、たいてい痛みで飛び上がるか、鈍痛や張った感じを訴えられます。
ただし、なんでも便秘症と思い込むのも時には早計です。
最近印象的だったのは、確かに便秘はありましたが、お腹の痛みが頭のほうに上がっていくという、おかしな症状を訴えておられました。この方はCTで解離性大動脈瘤が判明しました。また、盲腸(急性虫垂炎)も初期は通常便秘を併発します。もう一つは高齢になるとやはり癌が多くなるので注意です。病院に行くと、肛門から指を入れて、指の届く範囲に腫瘍がないか、実際に便はあるのか、どんな便なのか、を探ってもらえます。
指についた便に目に見えない血が混じっていないかも検査してもらえますが、実はこの検査はお家で行うこともできます(セルフメディケーション講座まで)。癌や腸が壊死する怖い病気(上腸間膜動脈血栓症)、O157(病原性大腸炎)や大腸憩室症からの出血など様々な病気を疑うきっかけになります。逆に便が真っ白になる病気もあるのですよ。
このような例外をあまり深刻に心配しないで、一応念頭に置きつつ腹痛の大半はまず便秘か、稀に腸炎による下痢便の貯留と考えたいと思います。
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セルフメディケーション講座(有料メルマガ、セルフ検査など)では、詳しく分かりやすくご説明していきます。
2024年6月18日
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