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「名刺代わりの小説10選」 FIKAのブックトーク#41
こんにちは、FIKAです。
毎回1つのテーマで数冊の本を紹介しています。
2024年の5月から始めたこのアカウントですが、今年の締めくくりに「名刺代わりの小説10選」をやってみたいと思います。
私の人生に大きな影響を与えた10冊です。遅まきながらの自己紹介におつき合いください。
「十二国記シリーズ」 小野不由美
一番好きな本は何かと聞かれたら、このシリーズだと答えます。「月の影 影の海」から始まる壮大な中国風異世界ファンタジー、2019年に18年ぶりの新刊「白銀の墟 玄の月」が出た時は嬉しかったなあ…予想もしない展開と結末に号泣しながら読みました。
「黒と茶の幻想」 恩田陸
一番好きな作家なので迷いましたが、1冊だけ選ぶならこの本です。
久しぶりに会う学生時代の友達4人での旅、他愛ない会話の間に見え隠れする過去の因縁、言わなかった秘密、水面下での駆け引き…心理劇のような緊張感と過ぎ去った青春へのノスタルジーが見事に溶け合った大好きなミステリです。
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 村上春樹
司書になりたいと思ったのは、大学時代に読んだこの本がきっかけでした。「世界の終わり」と「ハードボイルド・ワンダーランド」の二つのパートで並行世界が語られるのですが、どちらでも「図書館」が重要な役割を果たします。
「そして誰もいなくなった」 アガサ・クリスティー
中学生で読んだ時の衝撃は忘れられません。こんな展開、こんな結末、想像もしなかった!ミステリってすごい!ここから私のミステリ愛好の旅が始まりました。
「檸檬」 梶井基次郎
文学の扉を開いてくれた短編集です。表題作の「檸檬」も好きですが、一番好きなのは「桜の樹の下には」です。「桜の樹の下には死体が埋まっている」という有名なフレーズにしびれた高校生の私は立派な中二病でしたね。
「源氏物語」 紫式部
千年読みつがれたこの物語に書かれているのは、今も昔も変わらない「人を愛することの喜びと苦しみ」です。時代や国が変わっても人の心を打つ、古典の普遍性を教えてくれた作品です。
「三国志」 吉川英治
高校生の時、TVで横山光輝原作のアニメを見てハマりました。親にねだって全8巻の吉川英治版を買ってもらった時の嬉しさよ…英雄たちの戦いの物語に夢中になりました。推しは昔も今も諸葛亮孔明です。
「坂の上の雲」 司馬遼太郎
これも高校生の頃の愛読書です。批判の多い「司馬史観」が色濃く出た作品ではありますが、"日露戦争をこうとらえるのか!"というあの頃の驚きの記憶は今も鮮やかです。「余談だが」で始まる歴史こぼれ話がやたら長くて本編より面白かったりするのも好きでした。
「アンナ・カレーニナ」 トルストイ
「不倫の恋の話」というくらいの認識しかなかったのですが、読んでみたらヒロインの恋の話を軸に、19世紀帝政ロシアの様々な階層に生きる人々を丹念に描いた素晴らしい総合小説でした。大人になってから読むトルストイがこんなに面白いとは…!
「風にのってきたメアリー・ポピンズ」 P.L.トラヴァース
10冊目の本はかなり迷いました。東野圭吾か、宮部みゆきか、辻村深月か、伊坂幸太郎か、はたまた恩田陸の2冊目か…
散々迷った挙げ句、この本を選んだのは「名刺代わりの小説10選」を選ぶ際の主旨を思い出したからです。「私の人生に大きな影響を与えた本」という基準で選んだ場合、この本を外すことはできませんでした。
メアリー・ポピンズという不思議なキャラクターが日常のすぐ隣にある不思議な世界を見せてくれるファンタジーに小学生の私は夢中になりました。読書の面白さを知ったのも、初めての読書感想文を書いたのもこの本でした。今の自分の原点とも言える大切な作品です。
以上、10冊の本を紹介しました。
みなさんの人生に影響を与えた本は何ですか?
読んでくださってありがとうございました。来年もよろしくお願いします。