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「二度読み必至の本」3選 FIKAのブックトーク#18

こんにちは、FIKAです。
毎回1つのテーマで数冊の本を紹介しています。

今回のテーマは「二度読み必至」の本。
それまで読んできた話がラストでひっくり返され「え?どういうこと?」ともう一回最初から読み直さずにはいられない、そんな本を3冊紹介します。




「すきっていわなきゃだめ?」      辻村深月/今日マチ子

好きな子に好きって言えない小学生の気持ちを描いた絵本です。

すきなひとにすきっていうのがはやってる。

「すきなひとがいないの?」とみっちゃんにきかれた。「すきなひとがいるならすきっていわないの?」って。
わかんないっていったら、「じゃあそれはすきじゃないんだよ」っていわれた。「ほんとうのすきじゃないんだよ」って。

でもほんとうはこうくんがすき。

本文より抜粋

でも、この子はこうくんに好きって言えません。

このきもちは「すき」じゃないのかな。
いわなくてもこのきもちをだいじに
おもっちゃだめなの?

本文より抜粋

そうこうするうちに、こうくんはりなちゃんに「好き」と言われてしまいます。こうくんはどうするのでしょう?この子のこうくんへの思いはどうなるのでしょう?

小学生の微笑ましい恋の話なのですが、この絵本の作者はミステリ作家としても有名な辻村深月です。はっとするラストが待っていて、絶対にもう一度最初から読み直したくなると思います。そして人を好きになることについて色々考えたくなる、そんな絵本です。



「イニシエーション・ラブ」 乾くるみ

「ラスト2行で物語が変貌する」というコピーで話題になり映画化もされた作品なので、読んだことがある人も多いのではないでしょうか。

主人公の夕樹は大学生。合コンでマユという女の子と出会い恋に落ちます。恋人同士になった二人ですが、幸せな時間は長くは続きません。夕樹が大学を卒業して東京に就職したことで二人は離れ離れになってしまいます。離れても思いを確かめ合おうとしますが、だんだん疎遠になり…

恋が始まってから終わるまでを、時に甘く時にほろ苦く描いた切ない恋愛小説…と思いきや、ラスト2行で読者は驚きの事実に直面します。そしてもう一度最初から読むと、自分がこうだと思って読んでいたのとは全く違う物語が浮かび上がってくるではありませんか!

王道の恋愛小説に見せかけて、実は驚きの仕掛けを施した「二度読み必至」の傑作ミステリ、未読の方はぜひ読んでみて下さい。



「悪いものが、来ませんように」 芦沢央

とても仲のいい二人の女性に隠された真実をあなたは見抜けるでしょうか?

不妊と夫の浮気に悩む紗英は、幼い頃から最も親しい奈津子だけが心の支えでした。奈津子も育児で忙しいにもかかわらず、できる限りの時間を割いて紗英をサポートします。紗英の夫が他殺死体で発見された時も、全力で彼女を守ろうとするのですが…

それぞれ家庭をもっている大人なのに、こんなに友達のために尽くせるなんて、ちょっと凄すぎない…?

なんとなくモヤモヤした違和感を覚えながら読み進めていった私は、クライマックスで明かされる真実に「そういうことだったのか!」と呆然としました。
新たな視点でもう一度読み直してみれば、不自然に思っていたあの時のセリフや行動が全て辻褄が合う…!

二人の女性の心情を丁寧に描く、ひと粒で二度美味しい「二度読み必至」のミステリです。



以上、3冊の本を紹介しました。
もし読んで「え?どういうこと?」とニ度読みしてくれたら嬉しいです。

読んで下さってありがとうございました。









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