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母の心配

今日も昼休みに母の面会に行きました。

昨日の母の様子がおかしかったので、気になったところでした。

母は、昨日はなんで私はここにいるのかと考えても思い当たることがなくってさ。なんでここにいるんだろう。ここはどこなんだろと何度も何度も考えてもさ、答えが見つからない。

頭の中で同じことをずっとぐるぐる考えていて、答えが出ない。

ここは病院なら退院はいつなんだろう。ここは養老院なのか。でも私の知る養老院はこんな設備がよくなかった。

母は養老院(たぶん昔の老人ホーム)と言ってるのは、自分の母親が入ってた施設をイメージしているんでしょう。

個室はなく、多床室でしたので、6人部屋か8人部屋でした。

当時はそれが一般的でした。

プライバシーも個人情報保護もなかった時代です。

こちらから答えを言うのは簡単です。でも、母は母の中ではきっと悩み苦しんでいることでしょう。それがわかるだけに辛いものもあります。

認知症は完全になにもわからないというところに行くまでは、途中途中記憶が脱落していく状態があります。

自分の置かれている状況がわからない。

悩み苦しむと思います。

もし退院したら、僕の家があるからそこに来るといいよ。部屋もちゃんと用意してあるしさ。

暖かい部屋だから心配いらないよ。

あんたの?家に?行ったこともないよ。

母は実は新築したときに僕が連れてきました。

父はとうとう、今の家を見ることもなく亡くなってしまったので、母だけはと思い、一度家に僕が連れてきたのです。

もう4年はたったでしょう。

忘れてしまってるのでしょうけど、仕方ないことです。

その時は、こんな立派な家を建てたの??すごいねーと言って喜んでくれたものです。

退院を急ぐことはないからさ、いれるだけいなよ。僕もこれるだけ来るし、僕はずっといるからね。

あんたが先に亡くなったらどうするの?あんただってわからないんだよ。

うーん、それは日本が沈没したらどうするの?とか日本に原爆が落ちたらどうするの?というのと変わらない。

取り越し苦労だよ。だからそんな心配はしないでいい。そんな時はみんな亡くなる。

僕が居なくなってもちゃんと後を継ぐ人はいるし、市の福祉はちゃんとやってくれるよ。

そうか・・・わかったよ。

そういって母はまた眠ったようでした。

きっと昨日はあまり寝ていなかったのでしょう


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