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第17話 七草粥の思い出

ソファでリラックスして、半分うとうとしながらスマホでYouTubeを見るのが好きだ。

そこにココちゃんがいつもやってくるんだけど、ココちゃんが今度はオレをソファ代わりにして一緒にYouTubeを見る。

そして、これが本当に好きな時間。

もう少しお笑い芸人のチャンネル見て笑ったり、都市伝説とか見てワクワしたかったけど、ココちゃんのおねだりに勝てるわけない。

昔は、カカさんがオレにもたれて一緒にYouTube見たり、映画見たりすることが多かったけど、ココちゃんが産まれてからはめっきり減ってしまった。たまーにココちゃんが静かに寝た夜は、もたれてくる事もあるけど、減ったよな。

「母」になったんだなぁと思う。もう少し、甘えてくれてもいいんだけどなーなんて思ったり。

っていう正月を過ごした。

のんびり出来て楽しかったけどね。カカさんは退屈だったかも。正月の時間の進み方って、早いのか遅いのか分からない。なんとなく忙しない気もするし、のんびり出来てる気もする。

ただ、あっという間に休みが終わってしまうのは紛れもない事実。

三が日で両方の実家に行き、ココちゃんもお年玉を2人のばあばから貰ったから、何か買い物に行こうか!と思い立って、カカさんに声を掛けたけど、何とも後ろ向きな答えが返ってきた。

ご機嫌斜めなのか。じゃココちゃんと2人で行こうかと用意していたら、「私も行くわ」と結局一緒に行く事になった。たまーにこういう感じになる。

付き合いたての頃は「なんかあった?どうしたん?大丈夫?」と声を掛けていたけど、どうもこの声掛けが煩わしいらしい。
ただ、カカさんが言うには「そっとしててほしい。でもほっとかれると寂しい。すぐ直るから。」と哲学的で難しい事を言ってくるから、気に掛けながらそっとしているつもりだ。

結局、買い物に行った時に自分の欲しい本も買えたみたい。こうして我が家のお正月休暇は終わった。

休み明けのココちゃんが通う保育園では体調がすぐれない子が多いらしく、園児も少ないようだ。ココちゃんはめっちゃ元気。お正月に少しだけ前髪を切ってご機嫌。オレもカカさんも仕事初めが憂鬱で身体も重いのに、ココちゃんは「パウパト〜♪ぜんいんしゅ〜ご〜♪」と軽やかに登園した。

仕事が始まって、あっという間に日常に戻ってしまった。2日しか働いてないのに、なんでこんなに身体が重いんだ。2日間が一週間に思えて、ようやく土曜日。

今日は七草粥。カカさんが餅入りで作ってくれる。オレは七草粥に少しだけ梅干しの紫蘇を入れて食べるのが好きだ。年末年始で色々と派手な食事をした後だから、身体の隅々まで染み渡る。よくできた習慣だな。

七草粥といえば、子どもの頃、風呂に浸かりながら、全部暗唱してみた思い出。でも記憶のどこかで、雑草の詩と混ざってしまって、オオバコ、ヒメジョオンも入っているように勘違いしてしまう。ハコベとハコベラは同じ雑草らしいね。

ココちゃんも早く七草全部言えるようにならないかな。それよりもカカさんがベランダに植えてるハーブの名前を覚える方が先かな。

テレビで今年の成人式は18歳から20歳までで行うとこもあると、ニュースがやってる。きれいな振袖を着た新成人達が未来の夢を語っている。あぁ。ココちゃんもこんな風になるのかなぁ、と一瞬想像して急に寂しくなった。

そんなに早く成長しなくていいや。ゆっくりと一緒にいられる時間を大切に過ごそう。


美味しい七草粥を作ってくれたカカさんのお話はこちらから!
ココちゃん、そんなに早く大きくならないでー!

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