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第15話 華麗なるカレイの煮付け 作るまで編

今年も色々あったなぁ。

ココちゃんの成長は毎日の中でも少しずつ感じるけど、今年の初めとかを思い返すと、本当に成長した事がわかる。今は会話も繋がるし、ココちゃんが持ってる優しさをコミュニケーションの中で感じる事ができる。もう、何かをあげてもピャッと投げて笑顔でバンザイする謎行動もない。
今も「トトさん、さむいー?」って聞いてきたんだよ。寒いなーって思ってたから、びっくりして。
そう。オレは今、ココちゃんと夕方の商店街を散歩している。ココちゃんは完全装備の防寒で、手袋もしてる。なんで一緒に歩いてるかというと…

遡ること30分前。
クリスマスが終わって、世間は一気に年末の雰囲気だ。クリスマスでめっちゃクリスマスソングやら、キラキラした西洋的な世界を楽しんだ直後に、日本的な年末の雰囲気が来るのが、オレはすごく好きだ。この、何でも文化を受け入れる感じが日本の良さなんじゃないかなと思う。そのおかげで、色々な文化を取り入れた建物も、デザインも、ファッションも、音楽も、そして料理も楽しむ事ができる。何でも良いってわけじゃないし、全部好きなわけでもない。でも、「まぁ、こっちおいで。仲間になり。」みたいな感覚があるのって、日本だけなんちゃう?って思うけど違うんかな。

そんな事をね、ぼーっと考えてたら、カカさんが話しかけてきた。今日は12月27日。

カカさんにさ、クリスマスプレゼントの一つに「好きなもの作ります券」を渡していたの覚えてる?
てっきり、とびっきりの豪華なメニューとか、それこそステーキ!とかトンカツ!とか海鮮とか具がたっぷりのお好み焼き!とか言うと思ってたんだよ。
なんせクリスマスも終わって、世間は年末モード。
年末年始は良いもの、食べるやん。だから、ある程度は覚悟していた。。んやけど。

カレイの煮付けが食べたい、と急に言い出した。二度聞きしたけど、どうやら間違ってないようだ。 

実はさ、オレもこれが大好物で。でも店とかで食べても、どうも違う。煮付けの濃さ、生姜の効かせ方、甘さ、身の弾力も含めて、自分が作るものが美味しいと思う事がほとんどだ。それでも、カカさんが作る煮付けは「うまいっ!」って思う。カカさん、料理が本当に美味いねん。そんなカカさんが「美味しいから食べたい」なんて言われると、平静を装ってても内心はめっちゃ嬉しくなるよね。

ココちゃんをお供に、すぐに買い出しに行こうとしたら、今日じゃないって止められた。え?今日じゃないんだ。

でも一旦、お外に出る話をしてしまった以上、ココちゃんがおさまらなくなって一緒に2人で散歩してるってのが今ね。

でも、何で急にカレイの煮付けなんだ?笑


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