文学フリマ京都に、おみくじを引く人々の会話を持っていきます。
1月19日に開催される、文学フリマ京都9に出店します。
これまでのZINEに加え、つい先日録音した新鮮な言葉たちも携えていきます。この記事ではその冒頭をご覧いただけます。
ZINE『言葉の即興演奏』って?
私は、
街中のある場所に、まるで石ころのようにじっと立ち続け、録音をし、その音の中から「言葉」だけをすくいとって文字に起こす
ということしてきました。
現在までに約250の場所・季節・時間帯で録音をし、さまざまな街の言葉を文字に起こしてきました。
そして、その記録を各日ごとのZINEにしたものが『言葉の即興演奏』です。
<概要>
— 街中のある地点に30分間、石ころのようにじっと立ち続け、音を録る。 そして、その音の中から言葉だけをすくいとって、文字に起こす —
これは、そんな営みによって紡がれた、街の言葉の記録。
あなたが街で言葉を発した時、その言葉はその場所にポツンと残される。しばらくして、また見知らぬ誰かがある言葉をそこに落としていく。しばらくたつと、見知らぬもの同士の言葉が連なりをつくっている。そんなふうに、街のある場所では今も言葉が即興演奏のように連なり続けている。誰かの沈黙も空白のリズムとして加担しながら。
人の声だけでなく、駅アナウンス、街広告、スマホから流れる音楽、街に流れるあらゆる言葉を、波形にみたて文字に起こした本作。各日で一冊となっており、その時間帯、地点は様々。そのそれぞれからは、都市の発話リズムが視覚的に現れ、一つ一つの言葉からは、その時の空気感—時代、年月日、季節、曜日、時間帯、その土地っぽさ— が密かに漂ってくる。
ちょうどピクセルのように、小さな断片に過ぎない言葉だけれど、それらの集積は、ある情景を、解像度の低い写真のように浮かび上がらせる。これはそんな、時と場の空気を含んだ、ある 30 分の写真のようなもの。
<内容物>
①本誌 148mm × 148mm / 24p / ソフトカバー
ある場所で集音した音を元に、「言葉」だけを文字に起こした記録。見開きで5分、12 ページ分で、計 30 分の言葉が記録されています。
次のページには、このページに至るまでに辿ってきた全ての言葉が、一目に立ち現れる仕様となっています。ちょうど読み取れない大きさに縮小された言葉の集積は、街全体の発話リズムを感じさせる波形のように映ることでしょう。
冒頭には、立っていた地点の緯度経度を埋め込んだ QR コードと、冊子の種類ごとに異なる石ころのイラストが添えられています。 また、巻末にはある場所に 30 分立ち続けている間、周囲で起こっていたことやふと気づいたことをメモした当時の記録、フィールドノートを収録。本誌から情景を思い描く時、解像度を高める手がかりとなるような、各地点ごとのエッセイです。
② intro リーフレット(両面)
なぜ、街の一点に立ち、言葉を抽出するようになったのか、そのきっかけやエッセイ、文字起こしという営みの解釈、文字起こしの際に設けているちょっとしたルールなどが記されています。
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これらがCDを模した封筒に収められています。中心の円形の穴からは、各地点で録音した実音の波形が顔をのぞかせ、冊子の種類ごとに異なる表情を見せます。
種類が膨大で選び難いのですが、今の季節らしい言葉が収められている日や、京都らしい言葉が感じられる日、個人的に思い入れのある日などを、5つほど選んで出品するつもりです。
そして…
〜試し読み〜 2025.01.04 平安神宮
年明け、平安神宮のおみくじで賑わうエリアで飛び交っていた、録れたてほやほやの言葉を持っていきます。
ここでは冒頭5分の様子をお見せします。
実際のZINEには30分間の言葉が収められています。実はまだ文字起こしが終わっていないのですが、おそらくかなりの言葉量になり、しばらく経つと英語も登場してきます!全貌が気になった方はぜひ。
場所:せ-65
場所は、せ-65
試し読みコーナーのすぐよこ、センターラインの端です。
「CD?」って感じの冊子を見かけたら、ふらっと寄ってみてください!
(出口とかで録音しようかな…)