女呼んでブギ
<詞>
この曲は、やはり「女呼んでもんで抱いていい気持ち」のインパクトに尽きるが、今の時代(※注1)、こんな表現は屁でもないだろうが、リリース当時の1978年には「中ピ連」(懐かしい響きだなあ。死語だよね、完全に。)からの抗議もあったとか、なかったとか、サザン初の放送禁止作品になった。
(※注1:これを執筆した1998年当時です。今だと大問題かも)
でも、1stアルバムの歌詞って、ほとんどアマチュア時代の作品だから、全編内輪受けのネタであり、若者の日常会話でもあり「何でもアリ」の自由奔放さが魅力だし、裏を返せばアマチュアっていうのは、何の規制もないんだから、どんな表現も許されるし、やってしかるべきだし、やらなきゃいけない義務と権利があると思うわけです。オジサンとしては。>全国のアマチュアミュージシャンの皆さんへ。
あと、「女呼んでもんで・・」も去ることながら
「女 なんて そんな もんさ」っていうフレーズの韻の踏み方も素晴らしい。この辺は意識的というよりは、おそらく無意識で何の計算もなしで作ったと思われるが、この辺からも、言葉に対するセンスの片鱗がうかがえる。
ちなみに、このフレーズは翌年の「Let It Boogie」にも登場する。
「RUG and ROLL」は女性シンガー、キャシー・チェンバレンのアルバム「Rag'n Roll Review」タイトル曲からの引用。
あと、Bメロ「いつまでもそれじゃだめよ~」の後の意味不明のフェイク。
これこそが桑田佳祐の真骨頂だと思うわけです。ハイ。
<曲>
ブギといっても、服部良一のブギでもないし、いわゆる3コード系の単純なストレート・ロックンローラー系のブギでもなく、どっちかというと、サザンロック・スワンプ系のブギでしょ。桑田さんが作る場合。「いい気持ち」の半音進行が当時、とても新鮮でした。この曲を筆頭に、3連のブギはサザンのレパートリーの中でも重要な位置を占めてくる。
<背景>
この曲と「今宵あなたに」で、「EAST WEST '77」に出場し、プロへの道を切り開いた、いわゆる「出世作」でしょうねえ。同名のライブ盤に収録されており、最も早くレコード化されたサザン作品でもある。
一方で、デビュー後は「勝手にシンドバッド」と、この曲で双璧をなし、追い討ちをかけるように、コミックバンド・ナンパで軽薄なバンドのイメージを強めていった。
<1998.06.25記>
「女呼んでブギ」に関しては後年になって桑田さんが色々と発言しているのでそれらはまた今度。
上記で "服部良一のブギではない” と書いているが、最近になって『桑田佳祐が狙ってそう作ったのではないが、日本歌謡史の流れとして見ると服部良一ブギの系譜では大本命かな』と思うようになってきた事を付け加えておきます。
<2024.11.15追記>
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