バンクシーはなぜ作品をシュレッダーしたのか
閲覧ありがとうございます。
M1です。
今回はバンクシーのシュレッダー事件についてカンタンに解説します。
シュレッダーで切られた絵
バンクシーのこのモチーフを見ると、
イギリス・サザビーズでのオークション事件を思い出す方もいるのではないでしょうか。
2018年10月5日、イギリスのサザビーズで行われたオークションで『風船と少女』が出されました。
本作はオークションで
約1億で落札
されます。
この時すでにバンクシーは超有名アーティストですので不思議ではないですが、
改めてきくと凄い額ですね。
そして一億で落札されたのも束の間、
オークションの木槌が鳴らされると、
作品が勝手に動き出して
シュレッダーにかけられてバラバラ
になってしまいます。
例えるなら某才能査定番組で永世名人がボツ決定した時の感じですね。笑
もちろんそのことは会場の誰も知らなかったので悲鳴が上がります。
なぜシュレッダーしたのか
バンクシーが作品をシュレッダーにかけた理由は、
資本主義への反旗を翻すため
だと言われています。
オークションで1億もの大金で競り落とされても所詮は絵。
そのお金があれば何ができるのか。
というメッセージを伝えたかったのかなと私は思います。
バンクシーは繰り返し反資本主義的な作品を制作してきました。
ディズマランド(ディズニーランドのオマージュ)やマクドナルドのキャラクターのオマージュ作品などがその例です。
その延長線上でシュレッダー事件が起きたと考えられています。
バンクシーが資本主義を嫌う理由は、格差社会を産むためだと私は思います。
バンクシーは戦争問題にも積極的に関わって作品を残しています。
戦争は何で起こるのでしょうか。誰が起こしているのでしょうか。なぜ起こるのでしょうか。
さらにいえば
戦争はどうすれば終わり、そこにお金はどう絡んでくるのでしょうか。
資本主義の代名詞である、お金。
それへのメッセージとして様々な作品を制作しているのでしょう。
シュレッダーその後
資本主義への反旗として起こしたシュレッダー事件。
その後、作品はどうなったのでしょうか。
実は約8ヶ月前に動きがありました。
シュレッダーにかけられた本作は
25億で落札
されたのです。
つまり本来は資本主義への反旗として起こした事件であったのに、
そのバンクシーの考えも虚しく、
さらに高い金額で落札されるのです。
アーティストのメッセージは何なのか
以前、アーティストのメッセージと自分の感想の関係について記事を書きました。
詳細は上記記事を見ていただければと思いますがその中で、
アーティストのメッセージ=感想とはならない
と書きました。
このことはこの事件でも表されていると思います。
資本主義への反旗として作った作品(事件)も、
オークションにかけられればさらに資本主義の象徴となってしまう。
アーティストのメッセージの存在意義は何なのか。
作品はアーティストの思い通りに動くべきか、欲しがる顧客(鑑賞者)の感想が優位なのか。
この点についてよく考える必要があると私は思います。
おわりに
今回はバンクシーのシュレッダー事件についてお話ししました。
今回は本事件(作品)が資本主義への反旗であるとして紹介しました。
しかしそもそもこの事件自体の目的が異なる可能性もあります。
バンクシーほどの超有名アーティストが、事件の先でまた高価に取引されることを予想できなかったのか。
出来ていたならなぜこの事件を起こしたのか。
そのような謎について考え、自分の中での感想を持つことがアートに触れる価値
だと私は思います。
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