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タイでアン王女になる?

 3月下旬、ひとりでタイを旅した。まず、スコータイ遺跡公園のあるスコータイに行き、旧市街にある、遺跡のすぐそばの宿に泊まった。
 翌日、宿のおかみさんに、旧市街から12キロほど離れた新市街に行くソンテウ(乗り合いタクシーのようなもの)がないか聞くと、ないから、アプリを使ってタクシーを呼べという。自分でできなければやるが、手数料がかかるという。  

 2023年夏にマレーシアに行ったとき、Grabという車を呼べるアプリを入れていたので、それを使ってみる。が、何度かトライしても車がつかまらない。仕方ないので、バイクタクシーにする。バイクタクシーは見つかり、宿の付近で担当してくれる男の人と会えた。バイクというより、スクーターみたいだったけれど。

 全ての持ち物が入ったザックを背負い、初対面の男性の体に手を回し、直線道路をひた走る。人生初の体験である。風を切りながら走っていると、心から自由を感じる。『ローマの休日』(1953)のオードリー・ヘップバーン演じるアン王女になったような気分。アン王女は窮屈な我が身に嫌気がさし、自由を求めてこっそりローマの街へ繰り出し、新聞記者のジョー(グレゴリー・ペック)とスクーターに乗るんだっけ。私はというと、ヘルメットをつけている訳ではないから、命の危険と隣り合わせの自由だし、ずいぶん年増の王女ではあるが。

 スクーターを運転している男性は、道を知っている訳ではなく、時々止まって、スマホで道を確認しながら運転再開。無事、この日に泊まる宿に到着した。

 一度、大荷物でバイクタクシーに乗ったことで、大胆になり、チェンマイに移動してからも、少し離れた寺院に行くときに、2回バイクタクシーを使った。
 2回目になると、少し余裕が出てきて、ヘルメットを被っているので顔はよくわからないバイクタクシーの運転手さんの個性を、お腹回りに手を回した感触でみて取る。2回目の運転手さんは、お腹回りの感触がぽっちゃりしていた。3回目の運転手さんは、かなり若いお兄ちゃんで、ほっそりしていた。
 スコータイで初めてバイクタクシーに乗ったときは、初対面の男性の体に触ることに若干抵抗があったが、繰り返すと、慣れて来るものである。次に海外に行くときも、短距離ならバイクタクシーもありかな、なんて思うこの頃である。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。みなさんは、旅行していて、あの映画と同じことが起きている、と思ったことはありませんか?

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