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こころにトゲを隠したままで

本当のことが言えないまま、会話が続いていく。
何を考えているんだろう。
あなたは?
わたしは?
終わり終わり終わり
本当はずっと、アラームが響いているのに
まだ、明日の話をするの?
この信号が変わったら
あの角を曲がったら
車を降りて、さよならする瞬間に
ああ、言わないと
もう、明日はないのだと
あなたと私の未来
ここで、fin

さあ、今!

「あのね」

「遠くへ行くよ」

うん、知ってた。あなたは何も言わなかったけど、周りの人はおしゃべりだからね。
でも、もっと早くにあなたから聞きたかったな。こんな、終わりを決心した後じゃなくてさ。何一つ現実が変わらないのだとしても。
そう、一緒に泣く時間くらい欲しかったな。

「うん」

「待っててくれと言ったら」

「ううん」

「だろうと思った」

なによ、私が悪いとでも言う気?勝手に行くのはあなた。何も言わなかったのもあなた。
私に、さよならさせるのもあなたじゃない!

「仕方がない、ね」

そうよ、仕方がないのよ
さあ、決定的な一言を!

「さ、」
「さらうしかないね」

・・・ん?

「覚悟してついてきて」

・・・は?

「拒否権はないから」

!!!!!ざけんな!!!!

予測不能な未来に片足を突っ込んじゃった?
きっと、出会ったのがまずかったのね
でも、ああもう、遅いわ、
だって、あなたも私も笑い転げてるもの

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