放課後のグランドで。
私が小学校高学年の秋頃の話です。
その頃はまだ放課後にグランドの開放があり、
男勝りだった私は、毎日の様に男子女子混合の仲の良い友達数名で
ドッヂボールを楽しむ日々が続いていました。
いつもボールが見えなくなるまで遊んでいましたが
ある日の事です。
いつものメンバーで変わらない放課後を過ごしていました。
しかしその日はドッヂボールを早く終えました。
グランドの隅には、運動会などで使う道具等を入れてある
小さな倉庫がありました。
そしてその近くには、
長い間使われていない整地ローラーが置いてありました。
小学校の隣には幼稚園がありフェンスで仕切られていました。
フェンスの周辺には石灰のような白い粉が大量にあり
その辺りでは動物の骨らしき物がよく見つかっていました。
おじいちゃんに聞いた話では
幼稚園と小学校が出来る前はその一帯が墓地だったそうです。
この話はほとんどの子供が周知していたと思います。
ドッヂボールを早めに終えた私達は
整地ローラーの周辺で怖い話をしていました。
人数もいたので、
話に夢中になるグループと
話半分で遊んでいるグループに分かれていて
私は遊びチームにいました。
遊んでいるチームはグランドの道具を収納している小さな倉庫の
ガラスのない柵だけの窓に向かって
各々が木の棒を持ち窓に向かって投げるという
単純な遊びをしていました。
柵はとても細く、何度投げても到底入る様子はありませんでした。
それでも皆、夢中でそのゲームを続けました。
ふと怖い話チームに目をやると
何やら話ではなく別のゲームをしている様子でした。
近づくと・・・
何をしているのかはすぐに分かりました。
”こっくりさん”
私は自分でやった事が無かったので
とても興味が湧きました。
しばらくその様子を見ていると遊ぶチームの子も次第に集まり
なんとなくその場に緊張が走りました。
ですが長くは続かず、
一人また一人と小屋に棒を投げ入れる遊びに戻っていきました。
私もその一人です。
"こっくりさん"
は怖いイメージがあったのですがその時は
特に怖い現象はなく十円玉を離さない様にと
ハラハラしている友達の様子の方が印象にあるくらいでした。
私達は相変わらず棒を投げて誰が一番に入れられるかを競っていました。
そして私の番です。
やった!!!!
何十回投げても入らなかった棒が
どこにも触れず
スンッ
と音もなく吸い込まれるように入ったのです。
しかし、喜んだのは一瞬でした。
音もなく入った棒は
入ったとたん
音もなく細い柵の間から、
戻ってきたのです。
一瞬何が起きたか理解できず
遊んでいた私達は言葉を失いました。
そして・・・
私は恐る恐る自分が投げた棒を拾い
入ったであろう柵の場所に
棒をあてました。
全く入らない。
私の投げた棒は柵よりも太くて若干曲がっている事もあり
ねじ込もうとしても全く入りませんでした。
偶然だとしても、説明がつかないのです。
どう頑張っても入る訳がないのです。
周りの友達もあの手この手で入るはずのない棒が
入った理由を探していました。
辺りは薄暗くなり
だんだん不安になってきました。
私達の異様な雰囲気にこっくりさんをしていた子達も
集まってきました。
どうしたの?
薄暗い事と早く離れたい気持ちが先立ち
「何があったかは後で。」
とその場では話しませんでした。
そして私達は少し小走りに学校を出ました。
近くの公園で何があったか聞かれて
私が説明していると、
一緒に棒を投げていた一人の男子が話し出しました。
実は小屋の中を覗いてみたんだけど
棒がどこかに当たった音も無かったし
何より跳ね返る様な物が一つも見つからなかった。
中に入る事があったとしても
跳ね返って外に棒を押し返すなんて絶対に不可能。
これって霊現象なんじゃない?
体験をした私達も
話を聞いていた友達も誰も否定できませんでした。
未だに同級生に合うとあの時の話になります。
説明のつかない出来事を何人もの人が経験し
大人になった今も不可解で謎に満ちた出来事でした。
こんな説明のつかない経験をした事はありませんか?
最後まで読んで頂き有難うございました。